【特集】悪夢の21世紀
新潮45 2014年12月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2014/11/18 |
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JANコード | 4910049371244 |
定価 | 897円(税込) |
◆イスラム国という「反文明集団」/青山繁晴
◆資本主義が死ぬとき/水野和夫
◆エボラだけではない「終わりなき感染症との闘い」/岩田健太郎
◆異常気象がもたらす食糧危機/田家康
◆世界中が「中国」に呑み込まれる日/樋泉克夫
◆グローバリズムと格差拡大/中野剛志
◆「ウェブ2.0」はどこへ消えた?/古市憲寿
◆ネットに頭を預けた人間たち/小田嶋隆
◆すでに実現した「究極のディストピア」/長山靖生
世界が日本に一目惚れ 〈3〉夢のような2週間/メリー・アシュモント
オペレーションZ 第3回/真山仁
年を取る[最終回]
◆「9時から飲み」聖地の来歴/川東吉野
◆レッドウィング伝説を探して/小田嶋隆&清野とおる
40歳の幕内力士 〈3〉「まさかの優勝」からの再出発/旭天鵬勝 [取材・構成]武田葉月
戦国日本は「世界史」に直結していた/島津義秀×徳川家広×新城カズマ
「海洋国家」薩摩を描く『島津戦記』をめぐって
〈6〉ヌードグラビアが元気だった頃
プリニウス 第12回/ヤマザキマリ とり・みき
〈5〉上司との付き合い方 その3 斜め上の応援団
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈4〉『万葉集』の「人妻」の謎
〈8〉蒋介石の初陣
[最終回]注文の多いブラック商店街
〈21〉コミュニケーション各論(4) うまくいっている時に注意
〈5〉東京大学に求められる真の役割
〈5〉道元、非人情の人
小津と黒澤はアメリカ映画にどう影響されたか
クモの達人/小野展嗣vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭15 銀杏とオリーブのアヒージョ/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈鈴木さんとお菓子の箱〉/砂田麻美
◆国道者 *海に消えるトマソン国道/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *ベリー・ジャーマン in N.Y./岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *渋谷のハロウィン・ナイト/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全14/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]牧野知弘
編集長から
「21世紀」か?
自由の女神像と聞いて思い出すのは、やはり映画『猿の惑星』のラストシーンでしょう。以来、自由の女神像は「人類滅亡」の記号的な意味をまとうようになったと個人的には思っています。だからお台場に建てられた女神像には、強烈な禍々しさを感じてしまう。レリーフの説明によれば「新世紀に世界を照らす」べく2000年12月に除幕されたこの像を、世界からの観光客はどのように見るのでしょうか。
今月の表紙に女神とレインボーブリッジを使ったのは、もちろん特集「悪夢の21世紀」に合わせてです。環境破壊や昨今の国際情勢、政治や経済のありようを見るにつけ、「これが我々の望んだ未来なのか?」との思いを強くします。人類の今を根本から問う10の論考にご注目を。
このほか呉智英×中川淳一郎「あらゆる文明はバカに向かう」、濱田武士×藻谷浩介「『漁業』は豊かさを測るモノサシである」も必読。好評の街特集は「赤羽の勝利」。そういえば赤羽にも自由の女神像があるらしい……。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。