【特集】〈ふたたび〉日本政治への正しい絶望法
新潮45 2015年1月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2014/12/18 |
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JANコード | 4910049370155 |
定価 | 897円(税込) |
◆アベノミクスの終焉、資本主義の黄昏/水野和夫
◆橋下徹という「悪」/適菜収
◆「安倍下ろし」の政局を仕掛けた財務省/青山繁晴
◆どさくさ紛れに創価学会の大変革/小畑峰太郎
◆EXILEの西武ドームライブに行ってみました!/小田嶋隆
◆「一票の格差」論を嗤う/吉崎達彦
モンスターマザー/福田ますみ
「やくざ」だからよかった/川本三郎
オペレーションZ 第4回/真山仁
◆「玉砕の島」ペリリュー島から帰還した父/ゆき惠・ヒアシュ [構成]柴本淑子
◆戦後日本の麻薬禍は中国が仕組んだ/藤田陽一郎
◆《シリーズ*書き換えられた「歴史」》
「太平洋戦争」史観はいかにして広まったか/有馬哲夫
◆《インタビュー*私の戦中戦後、私の原点》
あの戦争があったから「子ども相手」の仕事を選んだ/中川李枝子
◆私大阪 〈1〉松原市営屠場/上原善広
◆鳥類学者の優雅で過酷な日々 〈1〉トモダチヒャクニンデキルカナ/川上和人
「浜作」三代目が語る、東西の美味しいもの
心肺停止になって考えたこと〈5〉
浦安「丸志げ」「秀寿司」 新橋「ジョン・ベッグ」
プリニウス 第13回/ヤマザキマリ とり・みき
〈6〉道元、衝撃の波動
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈5〉平安古典に見る「正しい正月の過ごし方」
〈6〉上司との付き合い方 その4 筋悪案件への対処法(上)
〈9〉魯迅の就職、そして革命
〈22〉コミュニケーション各論(5) 引っ込みがつかない時
〈6〉「連立政党」自民党ゆえの解散総選挙
〈28〉笠智衆の「ぬうぼう」
コウモリの達人/大沢夕志・啓子vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭16 ホタテのチリソース/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈墓を読む〉/柴崎友香
◆国道者 *阿武隈の隘路国道/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *一人と一人のフルコース/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *キッザニア東京/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全15/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
【新企画】
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
編集長から
アベノミクス
自ら「アベノミクス解散」と銘打ち、圧勝した安倍総理ですが、まさにその「アベノミクス」が命取りになりかねないというのは言い過ぎでしょうか。なにしろマネタリズムや新自由主義的な方向性と、ケインズ主義的な方向性が混在し、消費税に対するスタンスも二転三転。おそらく考え方の違う複数の経済ブレーンたちの意見をつまみ食いしているうちに、得体の知れないキメラのような政策体系が出来上がったということでしょう。
そもそも日本のように成熟し、人口減少と高齢化が見込まれている国で、なおも成長を唱え続けているところに、ある種の嘘を感じます。今月の特集「〈ふたたび〉日本政治への正しい絶望法」では、佐伯啓思・水野和夫の両論客がアベノミクスの本質的な問題点に迫ります。内田樹×藻谷浩介「日本を『早送り』させる人々」も併せてご一読を。
このほか福田ますみ「モンスターマザー」は衝撃のノンフィクション。戦後70年を迎えての特集「昭和史再考」も力作揃いです。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。