【特集】狂信テロ集団「イスラム国」 非人間的な、あまりに非人間的な
新潮45 2015年3月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/02/18 |
---|---|
JANコード | 4910049370353 |
定価 | 897円(税込) |
非人間的な、あまりに非人間的な
◆「現代のコミンテルン」が仕掛ける世界暴力革命/佐藤優
◆紛争の歴史が生んだ「異形のカルト」/国枝昌樹
◆「文明の衝突」を作り出すのは誰か/マハティール・モハマド
◆戦争取材だから死ぬこともある/徳岡孝夫
◆それでも戦場に行かねばならない/佐藤和孝
◆アメリカの「不都合な真実」/北野幸伯
◆テロと格差と僕らの2015年/吉崎達彦
◆「イスラム国」とつまようじ/小田嶋隆
「中日本主義」をめざせ/細川護煕
「消滅ショック」で始まった“地方侵攻戦略”の正体
日本の海上警備はどうあるべきか/向田昌幸
モンスターマザー/福田ますみ
長野・丸子実業高校「いじめ自殺」でっちあげ事件[第3回]
オペレーションZ 第6回/真山仁
反・幸福論[49]
◆この古典的な「資本主義の病」/服部茂幸
◆不平等を歴史に学ぶ/柴山桂太
現地人に成りすました「インテリジェンス兵」/笹幸恵
極私的「逝きし世の面影」(後編)
「海賊」と呼ばれた出光佐三の光と影
浅草「駒形どぜう」「四方酒店」「神谷バー」
プリニウス 第15回/ヤマザキマリ とり・みき
〈3〉フニクリ フニクラ
〈8〉日蓮、辺境の果てを往く
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈7〉あいまいな性の世界がもたらすエロス
〈11〉見果てぬ夢
〈24〉暴言の構造(1)「本当のこと」は取扱注意
〈8〉ネットの「炎上」が必然である理由
〈30〉笠智衆と志村喬
分子調理学の達人/石川伸一vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭18 チョコサラミ/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈千葉・谷津田の米を食う〉/鈴木大介
◆国道者 *車線を削られた国道/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *新春、初めての桝席/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *街コン東京ドームinふるさと祭り東京/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全17/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]中沢明子
編集長から
腹立たしい
「テロは許さない」。日本政府はそう繰り返しましたが、これでは全く言葉が足りない。「イスラム国」が許し難いのは、遺体の首を切り落としたり、焼き殺した上に、その様子をネットに晒して見せ物にするという、人間の尊厳を傷つける行為を行ったからです。テロが「非対称な戦争」である以上、社会を覆そうとする様々な過激勢力の仕掛ける「戦争」に巻き込まれる可能性は常にある。日本人二人も地域的なリスク認識が甘かったのかもしれない。しかし、だからといって、あのような殺され方をするいわれはないのです。
これがもし日本国内で行われたとしたら、犯人の嗜虐性がプロファイルされ、凶悪な快楽殺人として大騒ぎになったでしょう。このような行為を「テロ」と呼ぶのも腹立たしいかぎりですが、怒りの思いを込めて特集を組みました(「狂信テロ集団『イスラム国』 非人間的な、あまりに非人間的な」)。ピケティ特集と併せてお読みいただければ「現代」が見えてくるはずです。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。