【特集】「大阪都構想」の大嘘
新潮45 2015年5月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/04/18 |
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JANコード | 4910049370551 |
定価 | 897円(税込) |
最新号速報
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◆これぞ戦後最大の詐欺である/適菜収+本誌取材班
◆寂しき「かまってちゃん」/大谷昭宏
◆私が「橋下維新」を離れた理由/村上満由
資本主義の黄昏4
ネットアセスメントという手法
「反知性主義」と「半知性主義」/竹内洋×森本あんり
モンスターマザー/福田ますみ
長野・丸子実業高校「いじめ自殺」でっちあげ事件[最終回]
「秀長派」から読み解く戦国史の真相/中野順哉
家康が受け継いだ「革命」とは
「空き家」活用で日本中が甦る/清水義次×藻谷浩介
今でも夢に見る五月の「山の手空襲」/仲代達矢
スイスでの終戦工作は三月に始まっていた/有馬哲夫
心肺停止になって考えたこと8
京王閣にて、柿ピー 鰻重 土手の夕暮れ/大竹聡
京王多摩川「竹乃家」稲田堤「たぬきや」
〈7〉「新々英文解釈研究」と「古文研究法」「新釈現代文」
オペレーションZ 第8回/真山仁
プリニウス 第17回/ヤマザキマリ とり・みき
〈9〉上司との付き合い方 その7 吉野文六氏が遂行した理不尽な命令
〈5〉キラキラヒカル
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈9〉あげまん・さげまんのルーツ
〈13〉逃避行――さまよえる魯迅
〈26〉コミュニケーション各論(7)頭に血が上った時
〈10〉地方議員を生かす方法
〈10〉道元、無伴奏の人
スノーボールアースの達人/田近英一vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭20 クレソンのパストラミビーフ巻き/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈イラクの羊は世界一〉/松本仁一
◆国道者 *裏街道「246号」の逆襲/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *星降る夜に、札幌で/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *田代まさしのごめんねトークライブ/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全19/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]藤本耕平
編集長から
無風に終わった統一地方選の前半戦で、やはり異彩を放ったのは大阪でした。道府県議会、政令指定都市議会が軒並み自民党第一党という中で、大阪府と大阪市、堺市は「維新」が第一党だったのです。自民一色よりはマシかもしれませんが、なぜ未だに大阪では圧倒的な支持を集めるのか不思議でなりません。
なにしろ、彼らが鳴り物入りで進める「大阪都構想」は、百害あって一利なしのインチキな代物なのです。行政コストは削減されず、ただ「大阪市」が消えて、予算も権限も「府」に巻き上げられるだけ。知れば知るほど「大阪市民にとっては自殺行為」と思えるのに、橋下徹市長の「口上」や「口撃」の巧みさもあって、真実がなかなか伝わっていかない。五月十七日の住民投票を前に改めて警鐘を鳴らすべく、特集を組みました(「大阪都構想」の大噓)。
「反知性主義」をめぐる竹内洋氏と森本あんり氏の対談、街の再生をめぐる清水義次氏と藻谷浩介氏の対談も、併せてご一読下さい。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。