【特集】戦後70年 漂流する日本
新潮45 2015年8月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/07/18 |
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JANコード | 4910049370858 |
定価 | 特別定価937円(税込) |
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈1〉最後の一日と最初の一日
◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈1〉尊皇攘夷と鯨
◆「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
〈1〉すべては柴又に始まる
戦史に姿を現さない「衛生兵」の苦悩/笹幸恵
「原爆投下正当論」をめぐるプロパガンダ/有馬哲夫
昭和からの伝言/加藤廣
〈2〉戦争の時代へ
私は谷崎の孫かもしれない/中村晃子
地に足のついた話をしよう/内田樹×藻谷浩介
「天井裏の子」と「押入れの子」
下田・嬰児連続殺害事件/石井光太
〈3〉就労を阻む高い壁
自分を見失った女性たち/インベカヲリ★
「解剖女子高生」誕生の核心/時任兼作
「山崎豊子戦中日記」に描かれた
淡い恋と大阪大空襲/徳岡孝夫
〈4〉活版印刷が消えた日
オペレーションZ 第11回/真山仁
プリニウス 第20回/ヤマザキマリ とり・みき
◆中国亡命漫画家/辣椒
〈2〉その熊猫、凶暴につき
◆開講! ニッポン地形歴史学(トポグラフィカルヒストリー)/竹村公太郎
〈2〉モノづくり中部の謎
〈12〉上司は選べないが部下は選べる(3)
〈8〉上原商店創業
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈最終回〉エロの危機
〈8〉鳥類とバイク
〈16〉上海、内山書店交友記
〈29〉人の行動を決めるもの(1)選択の自由、選択の不幸
燃料電池自動車の達人/田中義和vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭23 豆腐のネギ塩ラー油/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈金色のフェラーリから〉/小長谷正明
◆国道者 *生き残った軍用国道/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *突撃、隣のギョーカイ人/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *シニアドライバーズスクール/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全22/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]永井忠孝
編集長から
戦後70年間を振り返ると、折り返し地点は1980年ということになりますが、わが「新潮45」が創刊されたのはそれから間もない1982年。以来、ときに反時代的視座を投げかけつつ、ときに時代を超えた人間の本質に迫りつつ、変わりゆく時代と共に歩んできました。取材と校了の夜を重ね、今月号でついに400号を迎えます。
というわけで、今月は大増ページの記念特大号です。戦後の来し方を振り返りながら、現在の日本の位相を探る特集「漂流する日本」、70年前の戦争の本質と意外な事実に迫った特集「あの戦争は何だったのか」、そして「ノンフィクション全開宣言!」と題して、気鋭によるノンフィクション6本を一挙掲載。さらに新連載攻勢第二弾として、平山周吉「江藤淳は甦える」、片山杜秀「水戸学の世界地図」、川本三郎「『男はつらいよ』を旅する」がスタート。鋭い論考あり、滋味溢れる読み物あり、徹底取材のノンフィクションあり。「新潮45」はこれからも攻め続けます!
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。