【特集】「安倍嫌い」を考える
新潮45 2015年9月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/08/19 |
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JANコード | 4910049370957 |
定価 | 特別定価937円(税込) |
「イルカの町」太地町の憂鬱/山田吉彦
「いまだに殺人欲求を抱き続けている」と断じた衝撃の判決文公開/本誌編集部編+[解説]時任兼作
「WHY? IT企業役員が日本でお笑いを?」/厚切りジェイソン
中国亡命漫画家/辣椒
〈3〉熊猫の撃退法
私と息子たちについての考察/小島慶子
リーダーは「崩壊学級」で育つ/菊池省三×藻谷浩介
「抱く女」の時代
――1972年クロニクル/内田樹×桐野夏生
「声優のアイコ事件」/インベカヲリ★
〈4〉新人看護師はなぜ死んだか
「ダーリンはトルコ人」顛末記/及川眠子
「ファミレス呑み」この心地よい世界/ワクサカソウヘイ
オペレーションZ 第12回/真山仁
プリニウス 第21回/ヤマザキマリ とり・みき
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈2〉美しき「母」を探し求めて

◆「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
〈2〉京成金町線を行き来して

◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈2〉エイハブ船長と日本の海
〈3〉昭和二十年八月十五日
〈3〉家康の関東「大工事」と近代化
〈9〉部落解放運動と金
〈9〉小笠原ヤギ王国始末記
〈17〉決別、そして新たな地平へ
〈13〉法然と一遍
〈13〉上司は選べないが部下は選べる(4)
〈30〉人の行動を決めるもの(2)「後悔しないように」
イルカの達人/村山司vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭24 水キムチ風/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈AVと「ライスですね!」〉/鹿島茂
◆【新連載】月刊サクラセブンズ
*京大出の会社員、日本代表に/生島淳
◆国道者 *東名高速を削り取った男/佐藤健太郎
◆イマイマイズム見聞録 *靖國神社みたままつり/今井舞
◆第14回 新潮ドキュメント賞 *候補作品発表
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全23/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]伊藤亜紗
編集長から
安保法制をめぐって、安倍政権の支持率が急落しています。けれども法案そのものへの批判といえば、「戦争法案だ」「徴兵制復活だ」といったあまりに現実味を欠いた頓珍漢なものばかりで、それが影響しているとは思えない。どうも政策云々というよりも、漠然とした「安倍嫌い」の拡がりが原因のような気がしてならないのです。安倍総理への一部の感情的な批判には強い違和感を覚えるのですが、一方で安倍総理の側にも何かが欠けている。言葉に説得力がないというのか、喋れば喋るほど、不安と反発が増していくのはなぜなのか。安倍総理という存在と「安倍嫌い」現象をどう読み解いたらよいのか。多様な角度から論じてもらいました(特集「『安倍嫌い』を考える」)。
もう一つの特集では、まさに日本の安全保障上の脅威となった中国の今に迫ります(「『最も危険な国』中国の臨界」)。「日本初の多重人格裁判」を追ったルポなどノンフィクションも充実。400号記念特大号第二弾です。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。