【特集】愚者の大行進
新潮45 2015年10月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/09/18 |
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JANコード | 4910049371053 |
定価 | 特別定価937円(税込) |
「改革詐欺」に蝕まれる社会/藤井聡×適菜収
人口急減という「静かなる有事」/石破茂×河合雅司
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈3〉祖父の「海軍」と祖母の「海軍」
◆中国亡命漫画家/辣椒
〈4〉現代の皇帝・習近平
〈1〉「神接客」の男
問題行動の原因は萎縮した脳にある
兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
日本と相撲が新しい人生をくれた/大島勝(元関脇・旭天鵬) [取材・構成]武田葉月
私と息子たちについての考察 その二/小島慶子
〈5〉ソーシャルメディア的空間の中で
オペレーションZ 第13回/真山仁
プリニウス 第22回/ヤマザキマリ とり・みき
◆受賞作『ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞』
◇受賞記念エッセイ|永栄潔
〈3〉寅が福を運んだ網走
〈4〉空腹と受験競争
〈14〉上司は選べないが部下は選べる(5)
〈10〉ある悲劇
〈10〉アカガシラカラスバトの頭はなぜ赤いのか
〈14〉「中世」から「ひとり」への道
〈31〉人の行動を決めるもの(3)身内は庇うべきか
〈最終回〉上海――重層する世界と魯迅の死
〈3〉大津浜事件
人工知能はここまで来ている
人工知能の達人/松尾豊vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭25 ラム肉のクミン焼き/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈キャプテン喫茶〉/光浦靖子
◆国道者 *最後のダート国道/佐藤健太郎
◆イマイマイズム見聞録 *避難所運営ゲーム「HUG」体験会/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全24/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]小川真司
[インタビュー]福島香織
編集長から
満足にできない国
前回の東京五輪から50年を迎えた昨年10月10日、NHKのBSで「オリンピックをデザインした男たち」という特番が放映されました。大会のシンボルマークや競技・施設のピクトグラム(絵文字)を作ったのは東京大会が初めてだったこと、そのため気鋭のデザイナーたちが集められたことなど、舞台裏が明かされ、面白い内容でした。何よりも、五輪に向けて一丸となっている熱気がうかがえました。
翻って二度目の東京五輪は新国立競技場もエンブレムも白紙撤回。日本はこんなことも満足にできない国に成り下がったのでしょうか。「昔はよかった」とは思いませんが、組織もシステムも技術レベルも向上し、洗練されているはずなのに、この体たらく。軽佻浮薄でみんな他人事……。我々は何か根本的なものを失ってしまったのではないか、そんな思いからの特集です(特集「愚者の大行進」)。
杉山隆男氏による新連載「兵士に聞け ふたたび」は、今まさに必読。まずは沖縄、国境の空から。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。