【特集】どの口で言う!
新潮45 2015年11月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/10/19 |
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JANコード | 4910049371152 |
定価 | 897円(税込) |
「元自民党総裁」河野洋平/阿比留瑠比
「思想的内戦」の時代/古谷経衡
「戦後七〇年報道」始末/佐藤卓己
医学の勝利が国家を滅ぼす/里見清一
陸軍中野学校の秘密戦教育
発見された創立期公文書 /山本武利
日本勝利の鍵はダブルタックルにあり
月刊サクラセブンズ拡大版/生島淳
「フジタ」とは友達になりたくない/小栗康平
私と息子たちについての考察 完結篇/小島慶子
〈2〉もつ焼き屋の流儀
中国亡命漫画家/辣椒
〈5〉ネットの独裁者
オペレーションZ 第14回/真山仁
兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
〈2〉戦闘機乗りへの道
〈4〉「故郷」と「胎内」を失った少年
〈4〉奥尻島「渥美清がうちに来るなんて」
〈5〉文学書乱読の日々
〈15〉外部に理解者をつくれ(1)
〈11〉輸入牛肉枠
〈11〉糞尿譚
〈15〉ヤスパースの「軸の時代」と「軸の思想」
〈4〉最初の「攘夷」未遂
世界はブラフで動いている
ポーカーの達人/木原直哉vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭26 さつまいもそば粉団子/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈家怪〉/田中康弘
◆国道者 *伊勢神宮の前で終わる国道/佐藤健太郎
◆イマイマイズム見聞録 *ダイアログ・イン・ザ・ダーク/今井舞
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全25/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]寺尾紗穂
編集長から
政治家を辞めると公言していた橋下徹大阪市長が「おおさか維新」を立ち上げ、またしても「大阪都構想」を持ち出したのには、文字通り唖然としました。舌の根も乾かぬうちに、いけしゃあしゃあと、といった言葉が浮かびますが、世の中にはこういう「恬として恥じない人間」が現実にいるのです。政治権力を持ったこの種の輩に弱小雑誌が何を言おうが、しょせんはゴマメの歯ぎしりに過ぎないかもしれませんが、それでも言わずにはいられない。「どの口で言う!」という特集を組みました。
安保国会でつくづく感じたのは、日本はいまや「対立意見を誰も聞こうとしない」社会になったのだということです。そうした時代相について若手論客・古谷経衡氏に論じてもらいました(「交わらず、相容れず、対話せず 『思想的内戦』の時代」)。
癌治療の特効薬が日本の国家財政を食い潰していく、という衝撃の構図を明らかにする里見清一氏の緊急寄稿「医学の勝利が国家を滅ぼす」も必読。慄然とします。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。