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【特集】さらば維新と言おう

新潮45 2015年12月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/11/18

発売日 2015/11/18
JANコード 4910049371251
定価 897円(税込)

【特集】さらば維新と言おう

大阪を不幸にした「暗黒の8年」/藤井聡

「名誉毀損」裁判、かく闘えり
「橋下徹は人格障害」で訴えられて/野田正彰


大阪府民よ、いい加減に目を覚ませ/適菜収

橋下組vs.松野組
どっちもどっちの低級「大阪都抗争」/落合慶人


「民主主義」という欺瞞 反・幸福論〈57〉/佐伯啓思

オバマ大統領、
ヒロシマはあなたを待っています/三山秀昭


トルコは日本の恩を決して忘れない/アフメト・ビュレント・メリチ

「日本人スパイ」事件は
公安調査庁からの情報漏洩か?/野村旗守


【特集】言論の不自由

触らぬフェミに祟りなし/小田嶋隆

そんなにいつも繋がっててどうするの/蛭子能収

パラリンピックとオリンピックがなぜ同格?/樫原米紀

「子供に選挙権」でも
年寄り優遇よりはマシ/菊池哲郎


家電売り場にもう買いたいモノがない/風上太郎

全国どこでも「運賃上限3000円」プラン/河合雅司

ミニマリストとコスパ男に未来はない/川東吉野

野球選手に「お涙頂戴ドラマ」をなぜ求める/大口卓造

食通は山葵を溶かさないんだってさ/轟狂太郎

ベルギーの王立劇場に行ってきた/古市憲寿

【対談】
「ガラスの仮面」と真剣勝負!美内すずえ×甲野善紀
新作能「紅天女」で「型」の本質に一歩近づく/甲野善紀


オジさんのためのプロレス新ブーム入門/布施鋼治

[歴史再考]
大坂の陣に隠された「戦国のユダヤ問題」/中野順哉


メディアの命運/武田徹
 〈6〉スマホ化後のジャーナリズム


【連載再開!】
プリニウス 第23回/ヤマザキマリ とり・みき

兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
 〈3〉「スクランブル」の緊張


41歳、脳梗塞になりました(後編)/鈴木大介

接客の達人/野地秩嘉
 〈3〉カリスマ美容部員にクレームが出ない理由


【大反響連載!】
中国亡命漫画家/辣椒
 〈6〉恐るべきマトリックス

【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第15回/真山仁

江藤淳は甦える/平山周吉
 〈5〉日米戦争下の落第坊主


「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
 〈5〉寅と吉永小百合が歩いた金沢

昭和からの伝言/加藤廣
 〈6〉ギリシャの哲人たちの魅力


組織で生き抜く極意/佐藤優
 〈16〉外部に理解者をつくれ(2)


私大阪/上原善広
 〈12〉共産党と右翼と

鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
 〈12〉「回転運動」する動物を探して

日本のビョーキ/里見清一
 〈32〉人の行動を決めるもの(4)「既成事実」の有難味

日本人よ、ひとり往く生と死を怖れることなかれ/山折哲雄
 [最終回]犀の角のように、ただ独り歩め

水戸学の世界地図/片山杜秀
 〈5〉徳川光圀と天皇

【達人対談】
乾燥すれば不死身! 最強の生物がいた
ネムリユスリカの達人/黄川田隆洋vs.ビートたけし


◆[扉]電柱/高木亮
◆居酒屋チエコ亭27
 ししゃものガーリックハーブ焼き/オガワチエコ


◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆随筆〈室町時代の酒の味〉/清水克行

◆[記者匿名座談会]「叩き上げ二階」というキーパーソン

◆月刊サクラセブンズ/生島淳
 *次戦は打倒中国! 快進撃が続く日本

◆国道者/佐藤健太郎
 *ノーベル賞を生む道

◆イマイマイズム見聞録/今井舞
 *ハロウィン特別企画 ゾンビマラソン

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全26/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]牛窪恵

編集長から

さらば維新と言おう

 もはや支離滅裂というべきか、「おおさか維新」結党にあたって橋下徹氏は「5年で政権を取る」と宣言。大阪都構想はどうなった、政治家やめるんじゃないのか、といったツッコミなど耳に入らないでしょう。要するに大阪はもう彼らの「延々と遊べる玩具」になってしまっている。有権者もなめられたものです。思えば本誌の「橋下研究」も4年前の同日選から始まったわけですが、再び廻り来た節目に合わせて特集を組みました(「さらば維新と言おう」)。
 とはいえ近年の言論空間の窮屈さを見るにつけ、橋下氏に快哉を叫ぶ人がいるのも分からないではない。あのような言いたい放題や嘘八百とは一線を画しつつ、しかし我々も常に「通念や良識に疑義をはさむ」役割が問われています。第二特集は「言論の不自由」と題して、「政治的に正しくない」コラム集です。
 また、「ガラスの仮面」の作者・美内すずえ氏と武術家・甲野善紀氏が対談で初登場。伝説のマンガをめぐる秘話が明かされます。

新潮45編集長 三重博一
「波」2015年12月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞