【特集】日本以外全部沈没
新潮45 2016年1月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2015/12/18 |
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JANコード | 4910049370162 |
定価 | 特別定価937円(税込) |
「第三次世界大戦」はすでに始まっている/青山繁晴
作家はもっと危険で、無責任でいい/筒井康隆
人間はちっとも進化していない/ビートたけし
反・幸福論〈58〉/佐伯啓思
だまし庵日記/野坂昭如
日本に戻ってきた韓国人実行犯/一橋文哉
夫婦はなぜ我が子を捨てたか
厚木市幼児餓死白骨化事件/石井光太
江藤淳への手紙/[解説]平山周吉
小林秀雄、丸山眞男、林達夫、吉川幸次郎、中野重治、埴谷雄高、開高健、山崎豊子、寺山修司……
没後20年を前に発見された書簡には、戦後を代表する作家と批評家の意外な素顔が隠されていた!
【好評連載!】
江藤淳は甦える/平山周吉
〈6〉湘南ボーイの黄金の「戦後」
台湾に生まれ、日本語で書く/東山彰良×一青妙
ラグビーをもっと深く楽しむために/平尾剛
〈1〉ラグビー特有の身体感覚
オリンピック出場を決めた11月の決戦/生島淳
アメリカ「対日心理戦」再検証
WGIPとは何であったのか/有馬哲夫
〈1〉「洗脳」に使われた映画
介護民俗学の豊かな世界/六車由実×岡野雄一
プリニウス 第24回/ヤマザキマリ とり・みき
オペレーションZ 第16回/真山仁
中国亡命漫画家/辣椒
〈7〉抗日神劇のウラ
〈4〉F15パイロット家庭の朝の「儀式」
〈7〉やりがいのある「新分野」
〈6〉寅さんと佐渡
〈17〉外部に理解者をつくれ(3)
〈13〉新同和会南大阪支部始動
〈13〉「キョロちゃん」の研究
〈33〉人の行動を決めるもの
(5)「生きる目的」としての病気
〈6〉『大日本史』と三味線狂い
データでスポーツはこれだけ楽しくなる
スポーツ統計学の達人/鳥越規央vs.ビートたけし
◆居酒屋チエコ亭28
ベーグルリースのオープンサンド/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆国道者/佐藤健太郎
*伊勢湾を飛び越える国道
◆イマイマイズム見聞録/今井舞
*高級老人ホーム
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全27/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
編集長から
「日本以外全部沈没」とは、言わずと知れた筒井康隆氏の短編タイトル。1973年、小松左京氏の「日本沈没」ブームのさなかに書かれたパロディ作品ですが、40年を経て現出しているのは、テロの脅威、終わらない紛争、資本主義の限界……まさに「全世界沈没」の惨状です。日本だけが「比較的マシ」なまま孤塁を守るが、それもどこまで続くのか。筒井氏へのインタビューも交え、緊急特集です。
好評連載「江藤淳は甦える」の取材過程で見つかった江藤氏への手紙の数々。そこには批評家の意外な素顔や、文壇での人間関係を知る手がかりが隠されていました。平山周吉氏による解説付きで一挙24ページ掲載。
このほか石井光太氏の事件ノンフィクション、石井妙子氏による原節子追悼など力作揃いの新年増大号の最終校了日に、野坂昭如氏の訃報。絶筆となった「だまし庵日記」はこう結ばれています。「この国に、戦前がひたひたと迫っていることは確かだろう」。文士また一人死す。合掌。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。