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【特集】どの面さげて

新潮45 2016年3月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/02/18

発売日 2016/02/18
JANコード 4910049370360
定価 897円(税込)

【特集】どの面さげて

手記より先に実験ノートを出せ小保方晴子/小畑峰太郎

それで結局、安倍政権は何をやったのか/適菜収

育休は浮気のためか 宮崎謙介の「議員活動」/伊藤達美

アベノミクス生みの親の「不都合な真実」/樫原米紀

どうせ韓国はまた必ず蒸し返す/豊田有恒

ゲスというより人間のクズ/大口卓造

「リア充」圧力の嫌な感じ/川東吉野

SMAP騒動から見えた日本人の「正体」/小田嶋隆

政治と文学
反・幸福論〈60〉/佐伯啓思


【独占手記】
ジャーナリスト竹田圭吾を見送って /竹田裕子

【新連載】
うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子

トランプの「毒舌」はなぜ喝采を浴びるのか/木下英臣

【現役情報担当官が告発】
防衛省内部にスパイがいる/[取材・構成]時任兼作


妻も敵なり、愛人も敵なり
こんなに怖い中国「恋愛」「結婚」事情/福島香織


【大反響連載!】
中国亡命漫画家/辣椒
 〈9〉ファシストは誰か?

お家騒動「ロッテ」骨肉の原点/佐藤大介

【公文書発掘】
知られざるインテリジェンス機関としての731部隊
/山本武利

【対談】
1960年代生まれの想像力/椹木野衣×片山杜秀

【インタビュー私の戦中戦後、私の原点】
総理の祖父、官僚の父と国際派の母に囲まれて/鈴木道子


【デビュー50周年記念インタビュー】
もう半世紀、歌ってきた/高石ともや
[聞き手]井上理津子


【短期集中連載】
ラグビーをもっと深く楽しむために/平尾剛
 〈3〉人気低迷の始まりと終わり


月刊サクラセブンズ〈7〉
 浅見HCが見据える代表チームのこれから/生島淳


盛岡発リトルプレス『てくり』をめぐる冒険/木村衣有子

【短期集中連載】
アメリカ「対日心理戦」再検証
WGIPとは何であったのか/有馬哲夫
 〈3〉ダイクと神道指令


【歴史巨編!】
プリニウス 第26回/ヤマザキマリ とり・みき

【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第18回/真山仁

兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
 〈6〉日本の海を守る哨戒機


昭和からの伝言/加藤廣
 〈9〉「角さん」との出会い


江藤淳は甦える/平山周吉
 〈8〉日比谷高校の早熟な「若年寄」

「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
 〈8〉瞼の母と出会った京都

組織で生き抜く極意/佐藤優
 [最終回]6つの質問に答える


私大阪/上原善広
 〈15〉部落産業の衰退

鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
 〈15〉「死んだふり」は有効か

日本のビョーキ/里見清一
 〈35〉人の行動を決めるもの
 (7)先々のことは考えない

水戸学の世界地図/片山杜秀
 〈8〉「黄門様」の中華思想

【達人対談】
不思議な不思議な擬態の世界
昆虫の擬態の達人/藤原晴彦vs.ビートたけし


◆[扉]帰属/高木亮
◆居酒屋チエコ亭30
 春菊餃子/オガワチエコ

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆随筆〈性と生〉/沖田×華

◆[記者匿名座談会]
 安倍政権「週刊誌政局」の遊泳術

◆国道者/佐藤健太郎
 *日本橋の首都高地下化に「五〇〇〇億円」を考える

◆イマイマイズム見聞録/今井舞
 *エロ・怪奇・特殊漫画家人生相談室

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全29/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]星野博美

編集長から

どの面さげて

 まともな人間なら羞恥心というものがあって、恥ずかしい真似はなかなかできない。己の失敗や愚かな言動がふいに思い出され、身悶えすることも数知れず。ところが世の中には面の皮の厚い人々が現実にいるようで、自己正当化と言い訳と居直りが横行する昨今。こちらも他人を責められた身ではないと知りつつも、公人たちのあまりの恥知らずぶりに、「どの面さげて」という特集を組みました。
「社会にとってのエアコンでありたい」という言葉を遺して、51歳で逝った竹田圭吾氏。あまりにも早すぎる死に、家族はどう向き合ったのか。夫人の裕子さんに思いを綴っていただきました。また今月から野坂暘子さんによる連載もスタート。お二人の原稿を拝読しながら、込み上げてくるものがありました。
 防衛省内の不可解な事件の続発に、現役幹部が「日本の安全保障を揺るがす危機」を内部告発(「防衛省内部にスパイがいる」)。どれだけ法や制度をいじろうとも、結局は人間次第なのです。

新潮45編集長 三重博一
「波」2016年3月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞