【特集】沖縄の嘘
新潮45 2016年5月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2016/04/18 |
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JANコード | 4910049370568 |
定価 | 897円(税込) |
反・幸福論〈62〉/佐伯啓思
働き方と社会保障の改革は「党派」を超えて/加藤勝信×神津里季生 [司会]藤本順一
[シリーズ 奈落の子供たち〈4〉]
ついに暴かれた
「足立区幼児虐待死事件」/石井光太
〈1〉お追従
〈1〉突き抜けた人、ショーンKは嫌いではない
海上自衛隊指揮官たちが
初めて明かす「東日本大震災の現場」
/倉本憲一×松下泰士×福本出×井ノ久保雄三
[構成]笹幸恵
我が家に語り継がれる幕末秘話
/西郷隆夫×坂本匡弘×木戸寛孝 [司会]島津義秀
「菜七子ちゃん」初勝利観戦記/大竹聡
〈8〉ニコニコ動画が誕生するまで
うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子
〈3〉風薫る五月ともなれば
アメリカ「対日心理戦」再検証
WGIPとは何であったのか/有馬哲夫
〈5〉テレビも原発も心理戦の一部だった
プリニウス 第28回/ヤマザキマリ とり・みき
オペレーションZ 第20回/真山仁
中国亡命漫画家/辣椒
〈11〉春節聯歓晩会の政治学(前編)
〈8〉パイロット速水兄弟の物語
[最終回]国破れて山河もなし
〈10〉生存競争から降りた一年間
〈10〉播州の小京都と大阪へ
〈17〉ガビチョウ来りてさえずれど
〈37〉人の行動を決めるもの(9)ヒーローかヒールか
〈10〉一二月一四日の出立
ダニを嫌わないでほしい
ダニの達人/島野智之vs.ビートたけし

◆居酒屋チエコ亭32
新玉ねぎと春キャベツのかき揚げ/オガワチエコ
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆随筆〈それはメーワク〉/本郷恵子
◆月刊サクラセブンズ/生島淳
〈9〉「リオで金!」広報担当の戦略
◆国道者/佐藤健太郎
*夢でなくなった「夢の架け橋」
◆イマイマイズム見聞録/今井舞
*NEWoManプレオープニング
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全31/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]久保利英明
この号の誌面
編集長から
「現場」が支える国
今号の校了を終え、本稿〆切の日、大きなニュースが飛び込んで来ました。熊本県で震度7――。死傷者多数との情報も流れています。懸命の救助活動が行われているかと思うと、無事を祈らずにはいられません。
地震といえば5年前の東日本大震災の記憶も未だ生々しいですが、今号では救難活動に当たった海上自衛隊の司令官たちに、改めて語り合ってもらいました。出動後の想定外の事態、米軍からもたらされた極秘情報、活動の妨げになった法の壁……。明かされる秘話に驚くと同時に、この国はやはり「現場」が支えているとの思いを強くします。
4月12日、「普天間基地返還」の日米合意からちょうど20年目を迎えました。沖縄問題はなぜこんなに迷走してしまうのか。特集「沖縄の嘘」はそれを考える格好の補助線となるはずです。
このほか石井光太「奈落の子供たち」、髙橋秀実「新幹線、だから何ですか?」、川東吉野「やがて哀しきプロ野球」などノンフィクションも充実、力作満載です。
新潮45編集長 三重博一(「波」2016年5月号より)
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。