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「吉田清治」長男、衝撃の告白 「慰安婦像をクレーン車で撤去したい」慰安婦問題を作った男の肖像/大高未貴

新潮45 2016年9月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/08/18

発売日 2016/08/18
JANコード 4910049370964
定価 897円(税込)

【「吉田清治」長男、衝撃の告白】
「慰安婦像をクレーン車で撤去したい」
慰安婦問題を作った男の肖像/大高未貴

[インタビュー]
参院選29万「オタク票」旋風を巻き起こした
「ネット政治」の作り方/山田太郎

【事件の深層を読む】

◆未解決「タイ邦人女性殺人」遺族たちの巡礼/水谷竹秀
◆娘が語る、新小岩「台湾人ママ」惨殺事件/岩井志麻子
◆「名古屋アベック殺人」無期懲役少年のいま/佐藤大介

◆追悼|永六輔
「旅の達人」との半世紀/矢野誠一

◆「(アニメか?)」のひと言で炎上した「文学」/中川淳一郎


【特集】「人権」に軋む日本

◆生活保護でパチンコは当然の権利か/上條昌史

◆妄想殺人鬼を野放しにした人権の壁/岩波明

◆「生命尊重」の莫大なツケを払う社会/川東吉野

◆もうPC(政治的な正しさ)に草臥れた/小田嶋隆

◆「男でも女子大を受けさせろ」訴訟の顛末/福田ますみ

◆難民を受け入れなければ三等国か/北野幸伯

◆「子供を産め」と言えない国/河合雅司

◆一票の格差をなくすと地方が亡ぶ/大江舜


【人気沸騰!】
中国亡命漫画家/辣椒
[最終回]わたしはなぜ戦うか

◆「生前退位」と
文明化された「王殺し」/山折哲雄

【対談】
夫との、まあ、悪くない関係/林真理子×小島慶子

◆『深夜特急』はムリでした
小心者ライターのインド探訪記/里中高志

◆私の猫もかぶりつき 猫が視る「ネコ番組」/蛭田亜紗子

◆ポケモンGOがプレイできるなんて、
生きてたら楽しいことが起こるものだ/犬山紙子

◆近代日本が踏み台にした「フルベッキ先生」正伝/井上篤夫

◆歴史再考〈3〉
信長が仕掛けた東西「経済戦争」/中野順哉

◆英国のEU離脱はほんとうに誤りだったか/村上政俊

【新資料発掘】
原爆は誰のものか
知られざる米英の暗闘/有馬哲夫

【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第24回/真山仁

◆うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子
〈7〉夏の終り、あなたは笑っていた

◆昭和史の人間学/保阪正康
〈5〉よき友

◆だからあれほど言ったのに/適菜収
〈5〉「百鬼夜行」する選挙

◆女系図でたどる驚きの日本史/大塚ひかり
〈4〉近親姦だらけの貴族たち

◆兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
〈12〉「個」が光る部隊

◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈14〉昭和二十九年夏の自殺未遂

◆「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
〈14〉「渡世人」の迷い

◆鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
〈21〉美しい日本の研究者の私

◆日本のビョーキ/里見清一
〈41〉「故郷」の効用

◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈14〉日本乞師と征韓論

◆反・幸福論/佐伯啓思
〈66〉「経済成長」とは一体どういうことなのか

【達人対談】リレーなら黒人選手と対等に戦える
短距離走の達人/朝原宣治vs.ビートたけし

◆[扉]鴎/高木亮
◆居酒屋チエコ亭36 和風イカフェ/オガワチエコ

◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆[記者匿名座談会]菅・二階が浮んで麻生が沈む

◆月刊サクラセブンズ/生島淳
[最終回]4年後の東京大会に向けて

◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈4〉八田一朗の「ハッタリ」

◆国道者/佐藤健太郎
〈40〉十人力の大男が作った道

◆イマイマイズム見聞録/今井舞
〈55〉都知事選開票日の鳥越俊太郎事務所

◆第15回 新潮ドキュメント賞 候補作品発表

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全35/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]稲垣えみ子

この号の誌面

編集長から

慰安婦問題を作った
男の肖像

 今年の春頃、経歴詐称でテレビから去っていったコメンテーターがいたが、「慰安婦狩り」を捏造した吉田清治なる人物はその比ではなかった。自著の経歴は虚実ない交ぜで、名前はいくつもあり、本当の生年も出身地もわからない。当然、学歴、職歴なども不明だった。今回、ジャーナリストの大高未貴さんが吉田氏長男のロングインタビューに成功、周辺取材も行い、その生涯の一端を明らかにした。
 それにしても、これまでなぜどの新聞も人物自体を検証してこなかったのか。新聞は自らの主張に沿ったものなら多少おかしなことでもスルーするらしい。
 特集の「『人権』に軋む日本」についても同じことが言える。「人権」という錦の御旗を振りかざされると、おかしなこともそうとは書かないし究明もしない。措置入院問題など、そうした問題の数々を取り上げてみた。
 さて、今号より編集長を務めることになりました。引き続きご愛読いただけますようお願いします。

新潮45編集長 若杉良作(「波」2016年9月号より)

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞