東大生集団わいせつ事件
「頭の悪い女子大生は性的対象」という人間の屑たち/高橋ユキ
新潮45 2016年11月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2016/10/18 |
---|---|
JANコード | 4910049371169 |
定価 | 897円(税込) |
◆東大生集団わいせつ事件
「頭の悪い女子大生は性的対象」という人間の屑たち/高橋ユキ
被害女性は、性的関係にあった大学院生に裏切られ、「誕生日研究会」のメンバーの前にオモチャとして差し出された。そして男子学生5人は彼女を裸にし、嬲り、辱め、弄んだ。
◆制服狂
「キングオブコメディ」高橋健一の悲しき性癖/インベカヲリ★
なぜ女子高生の制服だったのか。どうして盗まずにはいられなかったのか。20年の芸歴に重なる長い犯歴は、平成9年のある出来事をきっかけに始まった。
【加害者本人インタビュー】
私はなぜ「ストーカー」と化したのか/田淵俊彦
◆基地反対派「民兵」が道路封鎖、検問!
「紛争地域」化した沖縄・東村/篠原章
◆中高年のオアシス
「リトルマニラ」竹の塚をゆく/水谷竹秀
◆北朝鮮核ミサイルを日本は迎撃できるか/米田建三
【特集】見せかけの「正論」について
◆「民主化」で悪化した中東の治安/北野幸伯
◆ドイツ社会を荒廃させる「人道政策」/川口マーン惠美
◆天災も人災にして「責任者探し」/大江舜
◆「LGBT」支援なんかいらない/杉田水脈
◆豊洲市場に「ゼロリスク」を求めるな/佐藤健太郎
◆「医薬分業」は患者のためになったか/中原英臣 富家孝
◆「感動ポルノ」で狭まる障害者の生き方/前田拓也
◆仏像から信仰を奪う「文化財」という言葉/牧野隆夫
◆「悪の華」市川海老蔵論/樫原米紀
《ヒラリーvs.トランプ ドロ沼の大統領選》
◆なぜヒラリー圧勝とならないか
イスラム教徒から下院議員まで現地取材してみた/徳川家広
◆トランプ大統領なら世界はどうなる?/村上政俊
◆ツイッター上の「人格非難」合戦/酒井信
◆「凱旋門賞パブリックビューイング」酒/大竹聡
◆悲劇のマエストロ、ポランスキーとカザン/ミチヨ・Y・カッスート
◆紺碧の自由 再考・厚木航空隊叛乱事件/川島高峰
◆男たちは老後、地元に帰れるか?/小田嶋隆
◆うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子
〈9〉五十四回目の結婚式
【歴史巨編!】
プリニウス 第33回/ヤマザキマリ とり・みき
【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第26回/真山仁
◆昭和史の人間学/保阪正康
〈7〉天使と獣
◆だからあれほど言ったのに/適菜収
〈7〉あっちもこっちも大衆が好きな「紙芝居」
◆女系図でたどる驚きの日本史/大塚ひかり
〈6〉名のない女がカギを握る“女人入眼ノ日本国”
◆兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
〈14〉非日常のために存在する組織
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈16〉山川方夫との『夏目漱石』論議
◆「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
[最終回]加計呂麻島で暮らす寅さん
◆鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
〈23〉クラゲと恐竜
◆日本のビョーキ/里見清一
〈43〉何もかも、みんな他人事
◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈16〉「江戸の中国人」朱舜水
◆反・幸福論/佐伯啓思
〈68〉そして今、経済成長は可能なのか
【達人対談】住宅難に少子化傾向、スズメもつらいよ
スズメの達人/三上修vs.ビートたけし
◆[扉]錦秋/高木亮
◆居酒屋チエコ亭38 秋刀魚のにんにくハーブソテー/オガワチエコ
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆[記者匿名座談会]解散総選挙の条件
◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈6〉松本清司の存在感
◆国道者/佐藤健太郎
[最終回]高速道路にどう番号を振るか
◆イマイマイズム見聞録/今井舞
〈57〉知られざる女性用カツラ売場の世界
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全37/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]片山杜秀
最新号PICK UP
東大生集団わいせつ事件/高橋ユキ
「頭の悪い女子大生は性的対象」という人間の屑たち
被害女性は、性的関係にあった大学生に裏切られ、「誕生日研究会」のメンバーの前にオモチャとして差し出された。
制服狂/インベカヲリ★
「キングオブコメディ」高橋健一の悲しき性癖
なぜ女子高生の制服を盗まずにいられなかったのか。20年の芸歴に重なる長い犯歴は、平成9年に始まった。
【特集】
見せかけの「正論」について
正論にはどこか胡散臭さが付きまとう。一昔前なら、みなそれがわかっていた。だから正論は、ほどほど聞いておけばいいものだった。しかし昨今、それを金科玉条のごとく推し進めようとする風潮がある。民主化や人道政策、ゼロリスク社会など、それらは確かに一面、正しいだろう。だがそれを妄信してことを推し進めれば、どこかに齟齬が出る。正論にも弁えるところがあってしかるべきではないか。
この号の誌面
編集長から
ギフテッド
才能ある者を「ギフテッド」と習ったのは、中学だったか。才能は天の贈り物、つまりギフトで、それを受けとったからギフテッドというのは、ひとつの人間観を含んだ言葉である。今月号の「東大生集団わいせつ事件」の五人は、まさしくギフテッドだろう。各地の名門校から東大に進み、高校時代に全国数学選手権で優勝したものもいれば、学生ながら本を出した者もいる。天与の才能と知れば、まともな人間なら謙虚になるはずが、彼らはその頭を自分より偏差値の低い女子大生を集めることに使い、彼女たちが答えられないゲームの問題を作ることに用い、そして答えられないと罰ゲームとして酒を飲ませて、体を弄んだ。彼らは頭の悪い女子大生は性的対象と見下していた。
どんなことでも思い上がるとロクなことにならない。特集は「見せかけの『正論』について」。正論を振りかざして社会がおかしくなった例を集めてみた。頭のよさや正論では、どうしたって乗り切れないことがある。
新潮45編集長 若杉良作(「波」2016年11月号より)
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。