【スクープ!】京大[原子炉実験所]准教授は「拉致実行犯」の娘と結婚していた/福田ますみ
新潮45 2017年3月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2017/02/18 |
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JANコード | 4910049370377 |
定価 | 897円(税込) |
【スクープ!】
◆北朝鮮「核開発」協力疑惑の研究者
京大[原子炉実験所]准教授は「拉致実行犯」の娘と結婚していた/福田ますみ
北朝鮮へ渡航したら日本には戻れない「再入国禁止」措置がとられている「核」の専門家は、近年、核兵器の小型化にも応用できる研究を行っていた。そしてその彼と暮らす在日韓国人の妻は、なんと田中実さん拉致事件を起した秘密組織「洛東江」責任者の娘だった――。
《緊急座談会》
◆北朝鮮の脅威にどう対抗するか
トランプ政権のいまだから「敵地攻撃能力」の整備を
/永岩俊道 香田洋二 川上高司 [司会]米田建三
◆「忘れられた植民地」青島と中国の海洋進出/村上政俊
◆天皇の御学友、明石元紹氏に反論する/平川祐弘
◆100年続いた支社が全焼
糸魚川大火被災記/井上健一郎
◆中高生52万人が陥った「ネット依存症」地獄/黒川祥子
◆トランプを辞めさすことはできるか/矢部武
【特集】「より良い社会」の泥沼
◆「民主主義」という不幸/佐伯啓思
◆藝人に「世間的常識」を求めても/矢野誠一
◆「多様な家族」より普通の家族/杉田水脈
◆「地球市民」なんてどこにいる?/施光恒
◆撮影現場の「コンプライアンス」狂騒曲/中井貴一
◆どこだってほんとうは「ブラック企業」/樫原米紀
◆偽ニュース跋扈で「ネットの夢」はついに台無し/中川淳一郎
◆いつまでたっても道半ば「アベノミクス」/武田砂鉄
◆「ポスト真実」時代のジャーナリズム/武田徹
◆不必要な矯正治療を子どもに強いる歯医者たち/増田美加
◆東日本大震災拾遺 遺体なき遺族たちの時間/石井光太
◆シリーズ 無名兵士の墓標〈6〉
食糧調達で奔走した「主計兵」の矜持/笹幸恵
◆歴史再考〈5〉
「ユダヤ」の移動と大坂・豪商の没落/中野順哉
◆「トランピズム」という呪い/小田嶋隆
〈好評連載〉
◆こんにちの「田舎選挙」/常井健一
〈2〉青森県下北郡大間町 原発の町、16年ぶりの町長選挙
◆明日も汽車の中で眠る/下川裕治
〈3〉広州発ラサ行き 中国でいちばん長い列車
◆食の賢人たち/野地秩嘉
〈3〉十勝から東京へ 町のパン屋「満寿屋」
◆平成になじめない/島村洋子
〈3〉長嶋茂雄は稀代の極悪人
◆ドキュメント|のらねこ風俗嬢/インベ★カヲリ
〈3〉香川では高級店のデリヘル嬢
◆一発屋芸人列伝/髭男爵 山田ルイ53世
〈2〉コウメ太夫
【巨弾連載、ついに完結!】
オペレーションZ[最終回]/真山仁
【歴史巨編!】
プリニウス 第36回/ヤマザキマリ とり・みき
◆めくるめくパワースポット/高橋秀実
〈3〉ブームの火付け役「清正井」
◆うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子
〈13〉春、再び
◆昭和史の人間学/保阪正康
〈11〉機嫌を知るべし
◆だからあれほど言ったのに/適菜収
〈11〉「ワクワク」という勢力がある
◆女系図でたどる驚きの日本史/大塚ひかり
[最終回]なぜ桓武天皇は平安京に遷都したのか
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈20〉吉祥寺のアパートで「退路を絶つ」
◆日本のビョーキ/里見清一
〈47〉自分のことはおいといて
◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈20〉南北朝の正閏
◆反・幸福論/佐伯啓思
〈72〉「そこそこの幸せ」でいいじゃないか
【達人対談】荒行の果てにあるもの
修験道の達人/塩沼亮潤vs.ビートたけし
◆[表紙イラスト]グレン・グールド/信濃八太郎
◆[扉]表紙のひと グレン・グールド(写真 ゼータ イメージ)
◆TOKYO2017
首都高速10号晴海線(写真 広瀬達郎)
◆時代の標本 松田コレクションの世界〈3〉
阿部定(秘)資料集
◆明日も汽車の中で眠る〈3〉
広州発ラサ行き 中国でいちばん長い列車
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆謎解きナンバリング/佐藤健太郎
〈3〉例外的市外局番
◆プライベート・プレスの物語/山田真吾
〈3〉亀山巌と名古屋豆本
◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈10〉松平康隆の「叱責術」
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・TV Peeper|村上和彦
掌のうた
・短歌|選・解説 三枝昂之
・俳句|選・解説 小澤實
最新号PICK UP
【スクープ!】北朝鮮「核開発」協力疑惑の研究者 京大[原子炉実験所]准教授は「拉致実行犯」の娘と結婚していた/福田ますみ
北朝鮮へ渡航したら日本には戻れない「再入国禁止」措置がとられている「核」の専門家は、近年、核兵器の小型化にも応用できる研究を行っていた。そしてその彼と暮らす在日韓国人の妻は、なんと田中実さん拉致事件を起した秘密組織「洛東江」責任者の娘だった――。
【特集】「より良い社会」の泥沼
人間は良いことをしていると思うと、図に乗って横暴になるものである。代表格は戦争だが、それは平時だからといって減じられるものでもない。ことの成り立ちを無視し、原則や理念だけを振りかざす風潮が社会を覆っている。その行きつく先は人間疎外の住みにくい社会でしかないだろう。そうした陥穽に陥らぬための8本の記事をお届けする。
この号の誌面
編集長から
身捨つるほどの祖国
1965年生まれなら、大学時代はバブルで、ベルリンの壁が壊されるのも、ソ連が崩壊するのも、20代で目の当たりにしている。祖国・北朝鮮は、と言えば、「地上の楽園」とはほど遠い実態が明らかになり、世襲の独裁体制のもと、国民は困窮し、国際社会では孤立の道を突き進む。京大准教授にまでなった知性の持ち主は、それをどう見ていたのだろう。
福田ますみ氏の「京大原子炉実験所准教授は『拉致実行犯』の娘と結婚していた」は、衝撃のレポートだ。1年前、北朝鮮に渡航すれば日本に戻れない「再入国禁止」措置となっていた彼は、大物工作員の娘と結婚し、核兵器の小型化にも応用できる研究をしている、というのである。とんでもない話だが、一方で、その胸中を忖度せずにいられない。彼は在日三世で、平和で豊かな生活を享受してきた。だがそんなものは、いつでも投げだす用意があるのだろう。「身捨つるほどの祖国はありや」――彼にはあったのである。
新潮45編集長 若杉良作(「波」2017年3月号より)
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。