【特集】がっかり「小池百合子」劇場
新潮45 2017年7月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2017/06/17 |
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JANコード | 4910049370773 |
定価 | 897円(税込) |
【特集】がっかり「小池百合子」劇場
◆「自分ファースト」の政治を憂う/櫻井よしこ
◆大衆社会が生み出した「空虚」な政治家/適菜収
「だからあれほど言ったのに」特別篇
◆[ルポ]「都民ファーストの会」を追っかけてみた/菊地正憲
◆[ルポ]「豊洲移転」延期/上條昌史
◆歴代知事に比べどこがダメなのか/大塚英雄
都政記者61年の都知事評
【異色対談】
「見る」ことを探究して/養老孟司×庵野秀明
◆天才「藤井聡太四段」の将棋は何が違うのか/村上政俊
◆ニッポン「サイバー対策」最前線/田中達浩 [聞き手]笹幸恵
◆眞子さまご結婚後の「生活設計」を考える/八幡和郎
◆社長の「履歴」大研究/小川孔輔
◆本は売れないのではなく買えないのだ/坪内祐三
◆北海道の「廃線寸前」区間1000キロを往く/蜂谷あす美
【慰安婦問題の新局面】
◆「国連」のデタラメ勧告を真に受けるな/杉田水脈
◆吉田清治の謝罪碑を書き換えたのは私です
「実行犯」奥茂治氏の告白/篠原章
【小説刊行記念】
「ボクたちはみんな大人になれなかった」座談会
/堀江貴文 燃え殻 小沢一敬
◆ノーベル賞大村教授が育ての親
高卒女性補助員が名誉教授になるまで/山内喜美子
◆中高年は「僧侶」を目指す/井上理津子
◆テレビ屋稼業バカ一代/戸部田誠(てれびのスキマ)
◆マスゾエ「人民裁判」の狂った判決/小田嶋隆
《新連載第二回》
◆トリロー 三木鶏郎と昭和「冗談」史/泉麻人
〈2〉アスパラでやりぬこう!
◆形影譚/河谷史夫
〈2〉志賀直哉と小津安二郎
《好評連載》
◆こんにちの「田舎選挙」/常井健一
〈4〉最果ての“理想郷”、46年ぶりの新人対決
◆一発屋芸人列伝/髭男爵 山田ルイ53世
〈5〉ムーディ勝山、天津・木村
【歴史巨編!】
プリニウス 第40回/ヤマザキマリ とり・みき
【第4回】近未来の危機を描く迫真のシミュレーション小説
Δ(デルタ)/杉山隆男
◆めくるめくパワースポット/高橋秀実
〈7〉今戸神社「宮司夫人」のビビビ力
◆ドキュメント|のらねこ風俗嬢/インベカヲリ★
〈7〉手土産のない名古屋の客たち
◆昭和史の人間学/保阪正康
〈15〉空とぼけ
◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈24〉安保の年の「市民」江藤と大衆「吉本隆明」
◆日本のビョーキ/里見清一
〈51〉大切なものは、測れないけれど、測ろう
◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈24〉格さん、天皇を採点する
◆反・幸福論/佐伯啓思
〈75〉高齢化社会の「静かな死」
【達人対談】生卵を飲んでも精力はつかない
ニワトリの達人/森誠 vs. ビートたけし
◆[表紙イラスト]ナディア・コマネチ/信濃八太郎
◆[扉]表紙のひと ナディア・コマネチ
◆TOKYO2017
豊洲市場(写真 広瀬達郎)
◆時代の標本 松田コレクションの世界〈7〉
嗚呼、ストリップ時代
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆謎解きナンバリング/佐藤健太郎
〈7〉背番号という発明
◆平成になじめない/島村洋子
〈7〉金が大事で大好きだ
◆プライベート・プレスの物語/山田真吾
〈7〉艶本王「坂本篤」の軌跡
◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈14〉水野彌一の「打倒関学」
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・TV Peeper|村上和彦
・INTERVIEW|西尾元
掌のうた
・短歌|選・解説 三枝昂之
・俳句|選・解説 小澤實
【第30回】三島由紀夫賞・山本周五郎賞発表
最新号PICK UP
【特集】がっかり「小池百合子」劇場
就任するや「東京大改革」を打ち出し、豊洲への市場移転延期、五輪競技会場や費用分担の見直しと、次々話題をさらってきた小池都知事。だが、いま立ち止まって考えれば、それらは現場を混乱させただけで、考え抜かれた政策とはとても言えないものだった。では、彼女が行っていることはいったい何なのか。ただの人気取りか、自民党への当てつけか、それとも考えもなく気分で振る舞っているだけなのか。「小池劇場」の深層を探ってみた。
【異色対談】
「見る」ことを探究して/養老孟司×庵野秀明
『シン・ゴジラ』をはじめとして、の人気映像作品を世の中に送り出す、庵野秀明さん。その独特の感覚と視覚の世界について、養老孟司さんが聞く。
天才「藤井聡太四段」の将棋は何が違うのか/村上政俊
6月7日に連勝記録を「23」まで伸ばし、ついに羽生善治三冠の記録を抜いた「天才少年」。その快進撃は、現代将棋を揺るがす「AI」の発展と無縁ではなかった。
この号の誌面
編集長から
改革幻想
「改革」は、まだ今のところ“魔法の杖”らしい。野心的な政治家が自身をアピールするには何を措いても改革である。改革と唱えれば、現状に不満を抱く層が期待してくれるし、守旧派を一掃しつつ自分の支持基盤への利益誘導もできる。もっとも政治家のやることは昔から改革に尽きるわけで、声高にそれを叫ぶのは小泉政権の「聖域なき構造改革」からだろうか。劇場型政治とセットで、ひとつの手法になってしまった観がある。
その典型である小池都政を特集した。彼女もまず「東京大改革」を打ち出すが、いま振り返ってみると、豊洲への市場移転にしても五輪会場や費用分担の見直しにしても、とても考え抜かれた政策とは思えない。「大改革」も、情報公開や待機児童の解消は当たり前のことで、内容がない。では彼女の改革とはいったい何なのか。人気取りか、自民党への当てつけか、それとも考えもなく気分で振る舞っているだけなのか。適菜収氏が指摘した「空虚」という言葉が印象に残る。
新潮45編集長 若杉良作(「波」2017年7月号より)
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。