【特集】朝日の論調ばかりが正義じゃない
新潮45 2018年6月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2018/05/18 |
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JANコード | 4910049370681 |
定価 | 897円(税込) |
【特集】朝日の論調ばかりが正義じゃない
◆とことん「家庭」を壊したい新聞社/高山正之
◆慰安婦問題と同じ「加計学園」報道/加戸守行
◆「手」を出したらすべて「暴力」か/戸塚宏
◆「伝統」は時に「人命」より重い/大江舜
◆憲法問題を「熟議」しないのはどっちだ/村上政俊
◆「道徳」を教育して何が悪い?/杉田水脈
◆あまりにご都合主義的な「実名報道」/浅野健一
◆アンチ安倍ならタカ派も応援する「いじましさ」/八幡和郎
脇役だの主役だのうるせえチクショウ/石倉三郎
◆韓国がでっちあげ
朝鮮人慰安婦「30人虐殺」事件/友寄貞丸
◆歪んだ「改心」川崎「連続通り魔事件」の真実/高橋ユキ
◆翁長知事「膵臓腫瘍」で沖縄はどうなる?/篠原章
【特別企画】「反安倍」ヒステリー列島解剖
いまこそ安倍政権を支持する理由/堤堯
「呪詛」と「信仰」の基底にあるもの/古谷経衡
この奇妙な政治家への感情/小田嶋隆
「応仁の乱」と化した安倍 vs. 朝日/新田哲史
女性に人気がないのはなぜか/鈴木涼美
【座談会】米軍先制攻撃は9月までに80%?
それでも米朝首脳会談は決裂する
香田洋二×尾上定正×川上高司 米田建三[司会・進行]
「新皇帝時代」の幕開け
◆中国とロシアで甦った「アジア的専制」/茂木誠
◆習近平への権力集中は何のためか/田代秀敏
商品廃棄の経営学 衣食をこんなに捨てていいの?/小川孔輔
図書館と出版社の不幸な関係/武田徹
サッカー「西野ジャパン」は世界で勝てるか?/岩本輝雄
ルポ「古民家」を愉しむ/中山茂大
「アニソン四天王」大杉久美子の現在(後篇)/河崎三行
北朝鮮漂着船に残された「日本潜入」の証拠/山田吉彦
【短期集中新連載】
◆トヨタ・現場の「オヤジ」たち/野地秩嘉
〈1〉中卒副社長誕生秘話
◆「新冷戦」の時代/片山杜秀
【好評連載】
◆ニッポン全史/古市憲寿
〈6〉「拡大」の季節
◆総理と女たち/福田和也
〈5〉山縣有朋を看取った新橋の元芸者
◆トリロー 三木鶏郎と昭和「冗談」史/泉麻人
〈13〉「フラフラ節」と吉田茂
◆めくるめくパワースポット/高橋秀実
〈最終回〉おかげさまで伊勢神宮
◆だからあれほど言ったのに/適菜収
〈23〉いまや世界中が“フェイクニュース村”
◆昭和史の人間学/保阪正康
〈26〉お父さんを呼び返して来い
◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈35〉蝦夷地幻想
◆反・幸福論/佐伯啓思
〈85〉安楽死という難問
◆[表紙イラスト]信濃八太郎
◆[扉]今月の一枚
南北首脳会談
(写真 AFP=時事)
◆TOKYO2018
渋谷(写真 広瀬達郎)
◆写真家は写真でかく語る/トモ・コスガ
〈6〉石井陽子 鹿の惑星を夢想して
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈最終回〉小嶺忠敏の「諦めない」
◆謎解きナンバリング/佐藤健太郎
〈18〉裏表紙に潜む13桁の世界
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・TV Peeper|村上和彦
掌のうた
・短歌|選・解説 三枝昂之
・俳句|選・解説 小澤實
最新号PICK UP
【特別企画】「反安倍」ヒステリー列島解剖
支持でも不支持でも、これほど総理大臣「個人」が取り沙汰されることがあっただろうか。一説に、安倍総理にはどこか人を「感情的」にさせるところがあるという。確かにいま「感情的」というしかない混乱がある。いったい何が起きているのか。狂乱のニッポンを読み解く。
【特集】朝日の論調ばかりが正義じゃない
自由・平等、民主主義に人権の粉でも振り掛ければ、朝日の記事は一丁上がりである。だが、いくらそれを声高に叫んでも、社会はうまく回るまい。自由・平等も民主主義も、その理念と制度の中に限界があるからだ。彼らの独りよがりの「持論」は、従軍慰安婦問題や吉田調書報道を招いた。それらと同じ「正義」に基づく記事がいまも続々と書かれている。
脇役だの主役だのうるせえチクショウ
石倉三郎
日本人はすぐに枠にはめて括りたがる。けど、いつだって自分が主役のつもり。今、演じてみたいのは、証人喚問で沸かせたあの人物。内に秘めたものを持っている。
この号の誌面
編集長から
プロクルステスのベッド
捕えた旅人を自分のベッドに寝かせ、体がはみ出せばその部分を切り落とし、短ければ無理やり引き延ばす。今号の特集「朝日の論調ばかりが正義じゃない」を編集しながら、忘れていたギリシアの故事を思い出した。
朝日新聞はプロクルステスに似ている。自分たちが「こうあって欲しい」と考える社会を作るために、都合のいい事実だけを拾い集めて引き延ばし、ブレーキになりそうな話は切り捨てる。それだけではない。客観を装った印象操作まで施す。
従軍慰安婦や吉田調書報道は、そのようにして起きた。それが習い性なら、いまだって続いているだろう。「モリカケ報道だけでなく、護憲でも反暴力でも、あるいは道徳教育の否定でも、同種の記事が量産されている。それがこの特集でよくわかる。
特別企画は「『反安倍』ヒステリー列島解剖。安倍首相にはどこか人を「感情的」にさせるところがあるという。確かにいまの国会は「感情的」すぎる。この現象をどう考えるか、識者に聞いた。
新潮45編集長 若杉良作(「波」2018年6月号より)
新潮45編集長 若杉良作(「波」2018年6月号より)
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。