【春の時代小説大特集】朝井まかて/梶 よう子/西條奈加/志川節子/永井紗耶子/三好昌子/諸田玲子/矢野 隆
【ファン待望の新連載】赤川次郎
小説新潮 2018年4月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2018/03/22 |
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JANコード | 4910047010480 |
定価 | 特別定価1,069円(税込) |
春の時代小説大特集
■目次
【春の時代小説大特集】
◆朝井まかて/輪舞曲 ロンド 新連載
――時は昭和三年、ある女優が死んだ。書く人間でもあった彼女が遺したものは――
進化を続ける時代小説作家が照らし出す、トップスターの光と影
◆梶 よう子/百夜通い みとや・お瑛仕入帖
――寝苦しい夜、家族を想って泣いていたお瑛の耳に女の悲鳴が
◆西條奈加/せき
――天下泰平でも、国境の改めは厳しい。今日も関所では……
◆志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 神かけて
――どこか様子のおかしい友松が落とした紙片を見たおえんは
◆永井紗耶子/ねこめでる女
――大奥の食事の支度。御女中よりも献立に気を遣う相手は……
◆三好昌子/百鬼遊行絵巻 花の段
――雪の中泣く血塗れの女。光信は正体を暴くように命じられ
◆諸田玲子/大鷹の卵 お鳥見女房ふたたび
――護国寺の木に鷹が巣をかけた。それが新たな出会いを生む
◆矢野 隆/耕書堂モンパルナス 其ノ参 京伝が奮う
――戯作者志望のこの男、商人としてもなかなかに使えるが
【ファン待望の新連載】
◆赤川次郎/いもうと
――青春ファンタジーの傑作『ふたり』刊行から29年。姉の死を乗り越え、高校二年生になった実加を新たな困難が待ち受ける
【好評連載第二回】
◆佐藤愛子/冥界からの声
――亡くなった女学生からの電話。果たしてこれは現実なのか――
◆増田俊也/続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
――一九九三年四月。転職したばかりの著者の元にある訃報が届く
【特選読切短編】
◆井上荒野/ペルー 最終話
――今日、とうとう私たちはペルーに行く。でもその前に会う人が
◆木内 昇/深山町の双六堂
――平穏ではなく平凡なのだ。それに気がついたとき、黒い思いが
◆篠田節子/アスリート 肖像彫刻家
――依頼主は、正道の彫刻に魂が宿るという噂を心から信じていた
◆野中 柊/ブランケット 猫をおくる
――一年も生きずに逝ってしまった野良の子猫。弔いをすることに
◆松尾 潔/雪吊り
――金沢に来て二十年の主婦、由希の日常に飛び込んできたのは……
◆畠中 恵/くわれる しゃばけ
――長崎屋へ現れた鬼女。三百年前、一太郎に会ったと言い出して
【小説新潮作家名鑑】
◆西條奈加
――小説の舞台の地に住む幸せ。深川にはまる作家は、実は道産子
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉金井真紀
〈わたしの愛用品〉菊池 良
〈いつか住みたい街〉北大路公子
【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/ 〈医療・介護〉東 えりか/ 〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
石田衣良/清く貧しく美しく
乾 緑郎/杉山検校 最終回
奥田英朗/霧の向こう
乙川優三郎/二十五年後の読書
加藤 廣/余録・天草の乱 最終回
窪 美澄/トリニティ
熊谷達也/我は景祐
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
野口 卓/大名絵師写楽 最終回
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー 連載再開
薬丸 岳/刑事弁護人
山本一力/船旗を替えよ!
山本文緒/自転しながら公転する
【連載エッセイ】
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
高野秀行/謎の未確認納豆を追え! 連載再開
武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち
群 ようこ/じじばばのるつぼ
第五回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2018」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき
この号の誌面
編集長から
高校生になった「ふたり」の妹
本誌への初登場は1978(昭和53)年、別冊夏季号掲載の「サラリーマン四銃士」。以来、実に40年にわたって1年も中断することなく長短編を本誌に寄稿し、常に第一線の人気作家であり続ける「鉄人」、それが赤川次郎氏です。とりわけ1989年から連載の始まった『ふたり』は、新潮文庫で140万部を超える氏の代表作となりました。そして今月からスタートするのが、その『ふたり』の続編「いもうと」です。前作で高校生の姉を亡くした妹は、今や自らが高校生に成長。そして彼女の前には、いったいどんなドラマが待ち構えているのか。赤川ファンなら誰もが気になる『ふたり』のその後が、次第に明らかになってゆきます。
そして恒例の「春の時代小説大特集」では、朝井まかて氏の新連載「輪舞曲 ロンド」のほか、梶よう子、西條奈加、志川節子、永井紗耶子、三好昌子、諸田玲子、矢野隆というお馴染み7氏の、読書の喜びをしみじみ感じさせる秀作を取り揃えました。
小説新潮編集長 江木裕計
次号予告
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?

小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。