【R-18文学賞大特集】
第19回女による女のためのR-18文学賞決定発表
小説新潮 2020年5月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2020/04/22 |
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JANコード | 4910047010503 |
定価 | 特別定価1,150円(税込) |
【R-18文学賞大特集 Part-1】
○応募総数八〇八作! 女性のみならず多くの小説読みの注目を集め続ける本賞。期待に応えて特集を拡大、二号に渡ってお送りします
第19回女による女のためのR-18文学賞 受賞作発表・受賞の言葉
○選評 辻村深月/三浦しをん/友近
○受賞作
◆大賞 秋ひのこ/何言ってんだ、今ごろ
――母の再婚で田舎に引っ越した沙月。不満だらけの毎日で
◆読者賞・友近賞 梅田寿美子/カラダカシと三時の鳥
――わたしが助手として働く雇い主の、都市伝説のような生業は
○歴代受賞作家競作
◆小沼朗葉(第18回読者賞)/きらきらした場所
――誠実でいよう。良き人であろう。そう願うほど辛くなって
◆小林早代子(第14回読者賞)/イケてる私たち
――念願のシェアハウス生活開始! だが事件は嵐の夜に起きた
◆森 美樹(第12回読者賞)/透明な手つなぎ
――離婚して、文字通り空っぽになった私が始めたバイトは……
◆清水裕貴(第17回大賞)/ミス・ホンビノスの憂鬱
――海辺の町のミスコンが、バーの客たちにさざ波を起こして
【二大新連載】
◆恩田 陸/追憶の五重奏
――「ヨコハマ」には「ハコ」という字が入っている。そう、ヨコハマは、見た目は綺麗だが謎の詰まった玉手箱だ。物語が、そこで始まる……。
◆矢部太郎/ぼくのお父さん
――一二〇万部突破の「大家さんと僕」シリーズ。筆者のルーツは、同じく「描く」仕事をしていた父だった。漫画家矢部太郎、オールカラーで堂々凱旋!
【読み切り傑作短編】
◆赤松利市/尻
――歌舞伎町で出会った地下アイドルに紹介された、ある仕事
◆芦沢 央/弱い者
――避難所での指導対局。すごい実力を持つ子供と出会ったが
◆畠中 恵/ともをえる しゃばけシリーズ
――大坂の大店の婿選びを手伝う一太郎。候補が江戸に現れて
◆諸田玲子/おんな戦
――側室だった千代保がいまや藩主の生母。利家の正室・まつは
【連載第二回】
◆青山文平/泳ぐ者
◆江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
◆千早 茜/しろがねの葉
【グラビア】
◆恩田 陸/横浜逍遥
◆日本ファンタジーノベル大賞2019贈呈式
【連載エッセイ・ノンフィクション】
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
◆川上和人/オニソロジスト嘘つかない
◆酒井順子/処女の道程
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆清水克行/アナーキー・イン・ジャパン
◆筒井ともみ/もういちど、あなたと食べたい
◆中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
◆平松洋子/プロレスは何を食べる
【バラエティコラム】
〈あのとき聞いた音楽〉板倉俊之
〈マイルーティーン〉嶋津 輝
〈思い出の手料理〉和田尚久
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【好評連載小説】
◆浅田次郎/母の待つ里にて
◆梓澤 要/華の譜 徳川和子と後水尾天皇
◆逢坂 剛/鏡影劇場 最終回
◆梶よう子/東都の藍
◆加藤シゲアキ/オルタネート
◆黒川博行/熔果
◆桜木紫乃/緋の河 第二部
◆重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
◆高杉 良/破天荒 最終話
◆長浦 京/プリンシパル
◆西加奈子/夜が明ける
◆貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
◆花房観音/果ての海
◆葉真中顕/異郷のイービス
◆原田宗典/無理會
◆宮城谷昌光/公孫龍
◆宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
◆山田詠美/血も涙もある
◆山本一力/ひむろ飛脚
第三十三回「山本周五郎賞」候補作発表
「日本ファンタジーノベル大賞2020」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき
この号の誌面
編集長から
おこもり生活に最適 小説ライブ配信誌
小説誌の編集をしていて一番のよろこびは、「いま、ここ」で書いている作家の、もっとも新しい作品が読めること。載っているのは同時代を生きる書き手が渾身の力で綴る、とれたてのフレッシュな作品ばかりです。今号では、いつも時代の空気と共にある「女による女のためのR-18文学賞」の受賞作2作と、先輩受賞作家四人の作品をご紹介。さらに全小説ファン待望の恩田陸さんの新連載、そして『大家さんと僕』の矢部太郎さんが絵本作家であるお父さま(超ユニーク)との心温まる日々を描くオールカラー漫画も始まります。
もうずっと以前、小説誌は病院の売店や新幹線ホームのお店でよく売れたと先輩から聞かされました。時間の流れ方がいつもよりゆっくりになり、周りの人とのコミュニケーションが取りづらくなった今だからこそ、書き手たちの生の息遣い、作品に込めた熱を感じていただければうれしいです。おこもり生活のおともに、ぜひ。
小説新潮編集長 江木裕計
次号予告
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。