
毎月7日発行
1,200円(税込)
発売日:2026/10/07
◎史上最多の応募作から、花江科斗「光の棄却」が新潮新人賞に選ばれた。弁護士として働きつつ社会貢献活動に携わる主人公。彼女は自らが経済的に恵まれた家庭に生まれ育ったことに後ろめたさを感じ、配偶者との間に子どもを持つなら特別養子縁組だと決め込んでもいる。選考会では、自己陶酔的で空回りしているかに見える語り手の自意識の解釈で評価が分かれたが、「上から目線の罪悪感と閉塞感を描ききった新味」(九段理江氏)、「書かざるを得なかったという気迫を作品から感じ、それを信じた」(上田岳弘氏)という意見が賛同を集め授賞に。反出生主義と正面から向き合った本作が、熟議の末、こうして世に出ることを喜びたい◎話題作『わたしの知らない子どもたち』をめぐる西川美和監督と梯久美子氏の対談では、戦争経験者の取材や資料調査を経てなお残る歴史の盲点を監督が映画化した覚悟が語られた。強度を持った虚構によって現実世界を上書きする──そこにこそアートの真価が宿る。
編集長・杉山達哉
| 発売日 | 2026/10/07 |
|---|---|
| JANコード | 4912049011168 |
| 定価 | 1,200円(税込) |
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文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。