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今年の「しゃばけ」は2冊刊行です!

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 累計840万部突破の大人気シリーズ「しゃばけ」。
 今年の新刊文庫は『おおあたり』と『新・しゃばけ読本』の2冊です!

『おおあたり』はシリーズ15弾です。
 栄吉の新作あられの成功に触発された若だんなが、長崎屋の跡取としてやる気を出すのですが、病弱な体がついていかず......。
 謎解き鮮やか、心はほっこりの、運が開ける五作を収録しています。

 そしてもう一冊は、『新・しゃばけ読本』です。
 本作は2010年に刊行された『しゃばけ読本』をリニューアルした、「しゃばけシリーズ入門書」です。

 本編が17作に達し、スピンオフなど関連書籍も多数刊行され、拡がりゆくシリーズの全貌をつかむための一助としていただくために、刊行いたしました。

 全作品のあらすじ紹介、登場する79のキャラクター解説等々、シリーズに関するあらゆる情報を詰め込んでいます。

 その他の読み物もリニューアルされています。
 畠中恵さんに創作の秘密を根ほり葉ほり(!)インタビューしたり、物語を考えながら歩いているという散歩道をご紹介いただいたり、柴田ゆうさんに、イラストを描く過程や画材を公開してもらったり、としゃばけが生まれる現場も大公開しています!

 そして、絵本『みぃつけた』も全編特別収録されています。
 初心者もマニアの方も、しゃばけがもっと好きになる一冊になりました。
 ぜひ、お手に取ってみてくださいね!

「あなたにぴったりの仕事があります。」
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津村記久子/著
『この世にたやすい仕事は
ない』
 津村記久子さんの『この世にたやすい仕事はない』の主人公は、新卒後長く勤めた前職を燃え尽き症候群のようになって辞めた女性。失業保険も切れたので、しかたなく求職活動をはじめています。

 いまだ回復途上の彼女は、もう心身を消耗する職業はごめんだと思っています。仕事を選ぶ時間の余裕も少しはある。職安の担当者に、例えば〈スキンケア用品のコラーゲンの抽出を見守るような仕事〉があればと軽口を叩くのですが、意外にも返ってきたのは「あります」の返事......。

 以後、紹介されるのは、〈隠しカメラによる小説家の監視〉、〈循環バスの停留所アナウンスの原稿書き〉、など妙に気になるニッチな仕事の数々。そして、それらを描き出す津村さんファンにはお馴染みの、マニアックにそそる細部と、共感あふれる魅力的なことばに爆笑するうち、職場で奮闘する主人公の心のうちもありありとたち上がります。

 もちろん、お気楽にみえる職場も、一歩足を踏み入れれば、苦労と複雑な問題にぶつかるのは当然のこと。でも、主人公がそんな境遇に繰り返し立ち至るたびに、『この世にたやすい仕事はない』というタイトルからは、流行りの〈自己責任論〉がかくす冷酷さとは真逆の、著者の励ましの思いが読者に温かく伝わることでしょう。

 暴風雨の襲来する夜、オフィスビルから決死の覚悟で帰宅を試みる会社員たちの涙ぐましい奮闘を描いた『とにかくうちに帰ります』で、爆笑と圧倒的な共感を集めた津村さん。その津村さんが再び放つ最新お仕事ファンタジー『この世にたやすい仕事はない』。本書を楽しみながら、みなさんの仕事のストレスがほぐれていきますように。

(津村さんが本作に注いだ思いを、竹宮ゆゆこさんと語り合う「」の対談も、この機会に、ぜひお楽しみ下さい! [→ 対談はこちら 

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2018年12月15日   インタビュー / 今月の1冊
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