古川日出男「曼陀羅華X 1994―2003」(200枚)
【講演】平野啓一郎による平野啓一郎
【新連載】磯部 涼「令和元年のテロリズム」
新潮 2019年10月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2019/09/06 |
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JANコード | 4910049011096 |
定価 | 947円(税込) |
◆曼陀羅華X 1994―2003[二〇〇枚]/古川日出男
一九九五年、警察庁長官が狙撃された日、私は拉される。未来を書くために。この教団の予言書を書くために。都市と破局の
◆FICTION 03 ラボ/山下澄人
「沈みゆく船」の上で何ができるか? 旧友からのメールが照らし出す、創作の初期衝動。
◆全然[新連載第三回]/滝口悠生
◆父と母/瀬戸内寂聴
◆長春/松浦寿輝
◆プリニウス(六十二)/ヤマザキマリ+とり・みき
■■ 連載小説 ■■
◆漂流(八)/町田 康
◆チェロ湖(九)/いしいしんじ
◆ヒロヒト(十二)/高橋源一郎
◆ビッグ・スヌーズ(二十)/矢作俊彦
■■ 新潮 ■■
◆タル・ベーラの断片的な思い出/小田 香
◆石手寺へ/岸田将幸
◆処方箋の薬、マリファナという薬/佐久間裕美子
●第18回《小林秀雄賞》発表
●第18回《新潮ドキュメント賞》発表
●第51回《新潮新人賞》予選通過作品発表
●第52回《新潮新人賞》応募規定
【選考委員】大澤信亮/小山田浩子/鴻巣友季子/田中慎弥/又吉直樹
【講演】
◆平野啓一郎による平野啓一郎
第一作『日蝕』から最新作『ある男』の分人主義へ。世界の激動と対峙する作家の二十一年。
【新連載】
◆令和元年のテロリズム/磯部 涼 写真 山谷佑介
第一回・川崎殺傷事件から考える
5月28日、時代の転換期にその事件は起きた。気鋭の著者による新たなる「ルポ」、始動!
◆話芸と書法/渡部直己
――『水滸伝』から読む十九世紀日本文学(前編)
明末清初の批評家・金聖嘆による驚異的な『水滸伝』読解を、日本文学に大胆に接続する。
◆子どもたちの「ザ・モーニング・アフター」/上野千鶴子
――岸政彦『図書室』について
◆文革の不条理が原点の中国SF/大森 望
―― 劉慈欣『三体』現象
◆OH MY GOD/エリイ(Chim↑Pom)
第二回・それは蛇のようにかみ蝮の毒のように広がる
◆保田與重郎の文学(十三)/前田英樹
◆これは小説ではない(十七)/佐々木 敦
◆水戸学の世界地図(四十三)/片山杜秀
◆地上に星座をつくる/石川直樹
第七十八回・ユーコン漂流
◆見えない音、聴こえない絵(一七八)/大竹伸朗
■■ 本 ■■
◆朝吹真理子『抽斗のなかの海』/鴻巣友季子
◆高樹のぶ子『格闘』/平山周吉
◆高村 薫『我らが少女A』/武田 徹
◆今村夏子『むらさきのスカートの女』/松永美穂
この号の誌面
立ち読み
編集長から
古川日出男「曼陀羅華X 1994-2003」
◎一九九五年三月三十日、臨時ニュースがメディアを賑わした。東京都荒川区南千住で警察庁長官が何者かに狙撃され、重傷を負ったのだ。だが、この日、ひとりの男性小説家が何者かに拉致監禁されたことを私たちは知らない。その後、彼が無署名の作品を著し、それが日本の未来を変えたことを、私たちは知らない――古川日出男「
新潮編集長 矢野 優
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。