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【新潮新人賞発表】竹中優子「ダンス」仁科 斂「さびしさは一個の廃墟」
対談 小川 哲+町屋良平「これから作家を目指すひとへ」

新潮 2024年11月号

(毎月7日発行)

1,200円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2024/10/07

発売日 2024/10/07
JANコード 4910049011140
定価 1,200円(税込)

第56回 新潮新人賞発表
【受賞作】ダンス[一一〇枚]/竹中優子
三人まとめて往復ビンタしてやろう――私は傷心の先輩に振り回される。新時代の会社員小説。
◆[インタビュー]歌人、詩人、小説家の三刀流で
【受賞作】さびしさは一個の廃墟[一五〇枚]/仁科 れん
奄美の島唄を背に、屈折する「先生」への思い。色気のある語りが打ち寄せる、性の波間の物語。
◆[インタビュー]母語である外国語=日本語
【選評】上田岳弘/大澤信亮/小山田浩子/金原ひとみ/又吉直樹
去年、本能寺で円城 塔
信長は秀吉の体たらくに憤り、何度でも転生する。時空が歪む驚異の戦国SF、堂々完結!
かけこみ一番石井遊佳
人生鼻づまりの女の脳裏に、サラ金勤めの記憶が蘇る――都市の片隅で上演される悲喜劇。
■■ 連載小説 ■■
Ifの総て(五)/島田雅彦
(六)/宮本 輝
荒れ野にて(七十九)/重松 清

第23回 小林秀雄賞発表
【受賞作】夢を叶えるために脳はある 「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす池谷裕二
【選考委員】片山杜秀/國分功一郎/関川夏央/堀江敏幸/養老孟司
第32回 萩原朔太郎賞発表
【受賞作】恋と誤解された夕焼け最果タヒ
【選考委員】佐々木幹郎/建畠 晢/日和聡子/松浦寿輝/三浦雅士
第57回《新潮新人賞》応募規定 [ウェブ応募受付中!]
【選考委員】上田岳弘/大澤信亮/小山田浩子/金原ひとみ/又吉直樹
◆【対談】これから作家を目指すひとへ小川 哲 町屋良平(司会・構成 渡辺祐真
純文学とエンタメの差異は文体やわたくし性のみに非ず。実作者の視点から創作術を徹底解剖!
◆【新連載】みやびとまねび――日本クラシック音楽史片山杜秀
我々は外来の音楽をいかに受容してきたか。『古事記』にまで遡り奏でる、壮大な交響曲シンフォニー
【特集】熊野大学2024 中上健次×大江健三郎
初期中上世界にみる大江症候群高澤秀次
中上健次をクィア・リーディングする川本 直
変態クィアへと変態メタモルフォーゼせよ――熊野大学の浅田彰松田 樹+森脇透青
密航と日本――国境をまたぐ文学史に黒川 創
能登ノート――地震のあとを歩く/2024年5月20日-9月14日瀬尾夏美
小林秀雄(一一一)/大澤信亮
料理の人類学のかたわらで藤田 周
第五回・バルトの夢想の日本料理論
地上に星座をつくる石川直樹
第一二七回・火山をめぐる旅
見えない音、聴こえない絵大竹伸朗
第二三一回・熟成網膜
【リレーコラム】街の気分と思考(33)
さまよえるチェシャ猫石沢麻依
神戸のKハラサオリ
■■ 新潮 ■■
日本人の性格、西洋人の思考小袋成彬
いつか短歌をつくる日に木下龍也
好きな十二鬼月は上弦の陸遠野 遥
猫か靴豊永浩平
「一人置いて」が主役の展覧会南陀楼綾繁
【私の書棚の現在地】
井上荒野『猛獣ども』/【書評委員】高瀬隼子
藤田壮眞『わたしは、あなたとわたしの区別がつかない』/【書評委員】小池水音
■■ 本 ■■
◆奥泉 光『虚史のリズム』/滝口悠生
◆平野紗季子『ショートケーキは背中から』/関口涼子
◆佐藤厚志『常盤団地の魔人』/渡邊英理

この号の誌面

立ち読み

編集長から

第56回新潮新人賞決定
これから作家を目指すひとへ

◎第56回新潮新人賞が、竹中優子「ダンス」と仁科れん「さびしさは一個の廃墟」に決定した。今日こそ三人まとめて往復ビンタをしてやろう――そんな決意から始まる竹中作品は、社内恋愛に失敗した同僚・下村さんと主人公との友情シスターフッドを、毒気を孕む切実さをもって描き出す。他方、奄美を舞台にした仁科作品では、男娼として働く大学院生・レンの先生への複雑な感情が、方言や島唄を交えた色気のある文体で綴られる。好対照の魅力を持った二篇の受賞作を送り出せることを喜びたい◎小川哲氏と町屋良平氏のロング対談では、今や中堅となった彼らの創作プロセスが赤裸々に明かされる。純文学とエンタメの双方を見据えた作業仮説は、そのまま作家を目指す人々へのヒントにもなるだろう◎上記の対談では中上健次「岬」の技術が分析されるが、特集「熊野大学2024」で川本直氏は中上作品のクィア・リーディングの可能性を示してみせた。過去作の創造的な読み直しが、次の時代の文学に繋がっていく。

編集長・杉山達哉

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

新潮

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