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【創作】筒井康隆「ノスタルジア・ゾーン」
【特集】批評、考察、その先へ──

新潮 2026年10月号

(毎月7日発行)

1,200円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2026/09/07

発売日 2026/09/07
JANコード 4912049011069
定価 1,200円(税込)

【創作】
ノスタルジア・ゾーン(250枚)/筒井康隆
元警視正の真壁72歳と登志子25歳。年の差を越えて、二人の愛は深まりゆく。同時に真壁はある不審死事件の真相を追う。純愛とミステリの交差から浮上した思わぬもの──『モナドの領域』以来、11年ぶりの長篇小説!
【連載小説】
幻の熱帯雨林(第3回)/多和田葉子
リチャードの足跡をたどる想像の旅は、ブラジルを経由して広島へ。「覆面ライター」によるノート解読は続く。
【連作完結】
あなたたちはわたしたちを夢みる 14川上弘美
自分のものではない記憶。誰かのみた夢。小説を書いている時、わたしは感情の波をあざやかに味わっている。
■■ 特集 批評、考察、その先へ── ■■
【鼎談】
文芸批評のこれまでとこれから大澤信亮×町屋良平×三宅香帆
三者三様の定義と原動力。批評と創作、そして生きる上での問いを結びつけるべく、いま何ができるのか?
【対談】
クリテイカル・シンキング・ナウ朝吹真理子×福尾 匠
謹慎と不謹慎の脱構築が必要だ。感情の動員とは距離をとり、不安の側から言葉のリアリティを取り戻す。
【実践】
ゴムマスク狂想曲──『VIVANT』、考察、陰謀論大島育宙
よく食べ、よく眠り──吉本ばななとどんぶりと暗い「母」瀬戸夏子
怒るか、燃やすか、育てるか──十九世紀ロシア文学と批評の葛藤奈倉有里
演じることの饗宴──濱口竜介の新作『急に具合が悪くなる』は、いかなる画面の連鎖として見るものを魅了するのか蓮實重彦
世界の終焉を退ける執着(obsession)──Charli xcx,エメラルド・フェネル柳澤田実
演説と記述──批評とは何とともに、何を考え、何を行なうものなのか?山本浩貴(いぬのせなか座)
表象から感染へ綿野恵太
【対談】
ミッドライフを生きぬく勇気──ミランダ・ジュライ『はいつくばって』をめぐって岸本佐知子×西 加奈子
ホルモンの支配で身体がままならなくなる「中年の危機」を乗り切るために、ミランダが授けてくれたもの。
【レポート】
共感の教育はいかにして可能か──「シアター能楽」稽古場見学記仁科 斂
【連載対談】
教室で読む文学(第8回)志賀直哉「城の崎にて」池澤夏樹×田口耕平
【リレーコラム 街の気分と思考】
◆犬たちの歩容/小砂川チト
◆されど夢中/満島ひかり
【新潮】
◆お元気ですね/長瀬ほのか
◆「とりま」の件、私は80年だか90年前の記憶を持つ/増村十七
◆野田沙織さんという詩人/村司 侑
【書評委員による 私の書棚の現在地】
◆大石恵美『よだれ観覧車』/井戸川射子
◆青木淳悟『青木淳悟初期作品コレクション』/豊永浩平
【特別書評】
時間と空間の水系をめぐる──黒川 創『若冲、川を下る』を読むいしいしんじ
【本】
◆沢木耕太郎『途上の王国──一号線を北上せよ モロッコ天涯編』/石川直樹
◆川上弘美『スナックふたり』/戌井昭人
◆佐伯一麦『水平と垂直』/江南亜美子
◆吉田修一『タイム・アフター・タイム』/高山羽根子
◆八木詠美『アンチ・グッドモーニング』/堀 静香
【連載コラム】
うたと夢の出会う場所(第8回)/大森静佳
光源の旅(第8回)/石川直樹
【連載小説】
マキノ(第7回)/高村 薫
痴れ者(第10回)/上田岳弘
マイネームイズフューチャー(第15回・第二部完)/千葉雅也
【連載評論】
大滝詠一と私(第6回)/湯浅 学
独りの椅子──石垣りんのために(第25回)/梯 久美子
小林秀雄(第132回)/大澤信亮
第58回新潮新人賞 予選通過作品発表
第59回新潮新人賞 応募規定
執筆者紹介

この号の誌面

編集長から

特集「批評、考察、その先へ──」
筒井康隆「ノスタルジア・ゾーン」

◎批評の失墜が叫ばれて久しい。とはいえ昨今、若者たちの間では空前の「考察ブーム」が起きている。批評から考察へ。あるいはテクストから動画・音声メディアへ。その地殻変動の中で、いま改めて原点に立ち戻り批評を捉え直すべく特集を企画した。核になるのは、伝統的な文芸批評を引き受ける大澤信亮氏、小説家として批評を書く代表格たる町屋良平氏、世間の批評家像を大きく更新する活躍を見せている三宅香帆氏の鼎談。三者三様のスタンスの違いから、文芸批評の現在地が照らし出される。一方、朝吹真理子氏と福尾匠氏の対談は身近な存在や出来事さえ批評的思考クリティカル・シンキングの対象となりうることを示してみせた。加えて、七名の書き手による「自身にとっての批評の定義を含む批評文」の実践も◎特集は齢九十の映画狂人による最新の作品論を含むが、さらに年長の筒井康隆氏が二〇〇枚超の創作としては『モナドの領域』以来、十一年ぶりとなる長篇を書き上げた。元刑事の主人公同様、この若々しさたるや!

編集長・杉山達哉

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

新潮

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