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【特集】世界「日本化」計画

新潮45 2016年7月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/06/18

発売日 2016/06/18
JANコード 4910049370766
定価 897円(税込)

【特集】世界「日本化」計画

◆日本語と日本文化が世界を平和にする/鈴木孝夫

◆なぜ日本人は毎年ノーベル賞を取れるのか/松尾義之

◆「素人」がデビューできる唯一の国/ヤマザキデルス

◆世界が欲しがる「和のシステム」/菊地正憲

◆「ぷにぷに」「モチモチ」なんて言うのは日本人だけ/「ニッポン大好き」外国人座談会

◆「大きな物語の崩壊」の終わり/濱野智史

◆「イマジン」と憲法第9条/小田嶋隆

◆日本に生まれて、やはりよかった/平川祐弘

【中国対日工作の最前線】
官公庁データベースから中国に流出する個人情報/時任兼作

◆絶望の110番
「ストーカー規制法」が機能しない理由/清水潔

◆沖縄の「最悪な治安」は本当に基地のせいか/篠原章

◆消費税増税を先送りにする保身政治家たち/記者匿名座談会

◆「パナマ文書」の風評被害/加藤康子

◆ジダンはやっぱりカリスマだった
「欧州サッカー」ハイライト/岩本輝雄

[大反響!]
中国亡命漫画家/辣椒
〈13〉人民解放軍の内幕(上)

◆吃音と生きる/近藤雄生
〈5〉就職活動という大きな壁

◆メディアの命運/武田徹
[最終回]ドワンゴが創出したコミュニティ

【新資料発掘】
イギリスとカナダも原爆投下に同意していた/有馬哲夫

【インタビュー】
殺人犯の親を演じて/三浦友和

◆ほんまに美味しおすか、ミシュランさん/森川裕之

◆ポロにのめり込む世界の大富豪たち
全米オープンポロ選手権観戦記/森美香

◆人生がときめくキンプリの魔法/吉川トリコ

《新連載第2回》
◆女系図でたどる驚きの日本史/大塚ひかり
〈2〉光源氏はなぜ天皇になれなかったのか――王朝の身分は“腹”で決まる
◆スポーツ指導者たちの「人を育てる」流儀/黒井克行
〈2〉佐倉アスリート倶楽部 小出義雄のホメ殺し

◆うそつき 野坂昭如との日々泣き笑い/野坂暘子
〈5〉遠い日はやさしい色

【歴史巨編!】
プリニウス 第30回/ヤマザキマリ とり・みき

【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第22回/真山仁

◆昭和史の人間学/保阪正康
〈3〉しみったれ

◆だからあれほど言ったのに/適菜収
〈3〉「関西ではアホは敬称」ですから

◆兵士に聞け ふたたび/杉山隆男
〈10〉オキナワの海を監視する眼

◆江藤淳は甦える/平山周吉
〈12〉福沢諭吉と「恋人」三浦慶子

◆「男はつらいよ」を旅する/川本三郎
〈12〉伊根の恋

◆鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
〈19〉恐怖! 吸血カラスの意外な真実

◆日本のビョーキ/里見清一
〈39〉人の行動を決めるもの(11) 千万人も往くなら俺も往こう

◆水戸学の世界地図/片山杜秀
〈12〉「忠誠の心」と梅の木

◆反・幸福論/佐伯啓思
〈64〉『スモール・イズ・ビューティフル』の幸せ

【達人対談】キノコを求めてシベリアをゆく
菌類の達人/星野保vs.ビートたけし

◆[扉]鳥瞰/高木亮
◆居酒屋チエコ亭34 豆アジの梅しそ南蛮漬け/オガワチエコ
◆[巻頭随筆]風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆月刊サクラセブンズ/生島淳
〈11〉カウントダウンが始まった
◆国道者/佐藤健太郎
*「魔の山」を越える国道17号
◆イマイマイズム見聞録/今井舞
*ギャンブル依存症の家庭の子供を守るシンポジウム
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全33/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]高田かや

この号の誌面

編集長から

世界「日本化」計画

 海外旅行から帰ってくると、空港のトイレの清潔さとシャワー付き便器の快適さにほっとします。そして自宅のお風呂で湯船につかりながら「やっぱり日本はいいなあ」とひとりごちる。
 世界を見渡しても日本ほど安定した住みやすい国はありません。テロも紛争もない。人権は守られ、独裁者もいない。何より国民が真面目で勤勉、係員の犯罪や袖の下を心配する必要がない。もちろん世界は多様だからこそ面白いのですが、こと安定や清潔さや勤勉さに関しては、「日本方式」を世界に広めた方が人類のためではあるまいか。そんなわけで、「世界『日本化』計画」という特集を組んでみました。一つの思考実験として読んでいただければ幸いです。
 またしてもストーカーによる凄惨な事件。警察は交通違反取締りにかける「情熱」の一部でも犯罪予防に向けたらどうか。日本の安全神話と警察の名が泣こうというものです。『桶川ストーカー殺人事件――遺言』著者・清水潔氏の緊急寄稿(「絶望の110番」)も掲載。

新潮45編集長 三重博一(「波」2016年7月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞