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今月の編集長便り 毎月10日のメルマガで配信さている「編集長から」を「今月の編集長便り」として再録しました。こんなことを考えながら日々仕事しています。

短めにしています

 最近、編集部の若手が「長いメールは読む気がしない」と言っていました。
 ラインに慣れきってしまうと、「ツイッターの140字ですら長く感じる」と。
 最低でも8万字以上は必要な本を作っている奴がそういう調子なのはいかがなものかと思いつつも、自分自身も以前よりも長いメールが苦手になっている気がします。
 
 そんなわけで、このメルマガの文章も短めにしようと思いました。

 8月新刊をご紹介します。

日本の風俗嬢』(中村淳彦・著)。
 どんな職種があるのか? どのくらい稼げるのか? どんな人が就職しているのか? 危険はないのか? 30万人以上が働いているのに、表では語られない業界について、基礎知識からディープ情報まで網羅した一冊です。

はじめて読む聖書』(田川建三ほか)
 新約聖書の個人全訳という偉業に挑み続けている田川建三氏をはじめ、優れた読み手たちが「史上最大のベストセラー」の読みどころを、さまざまな観点から語ります。
 他の著者は、松家仁之、山形孝夫、池澤夏樹、秋吉輝雄、内田樹、田川建三、山我哲雄、橋本治、吉本隆明、山本貴光の各氏です。

原発とどう向き合うか―科学者たちの対話2011~'14―』(澤田哲生編)
 悲観論、楽観論、感情論、陰謀論……あの原発事故とその対策については、膨大な議論が重ねられてきましたし、今もそれは続いています。
 本書は、あくまでも科学者の視点を中心にした対話集です。事故直後から今日に至るまで、科学者たちの意見はかなり一貫していて、その見通しなどが正確なことには驚かされます。

60歳からの生き方再設計』(矢部武・著)
 老後の資産運用等、お金の話は多いのですが、そうではなく「いきがい」「つながり」「愛と性」といったことをどうするかについての本はあまりありません。
 本書では、自身還暦を迎えた著者が「うまくいっている人はどこが違うのか」という視点から、再設計のコツを示しています。

 どれも8万字はゆうに超えていますが、きっと「長い」とは感じないものになっているはずです。
 今月もよろしくお願いします。

2014/08