【特集】秋の夜長のミステリー
小説新潮 2022年10月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2022/09/22 |
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JANコード | 4910047011029 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】秋の夜長のミステリー
◆今野 敏/一夜 隠蔽捜査10〈新連載〉
――小説家が行方不明? 神奈川県警で刑事部長を務める信念のキャリア、竜崎伸也が報せを受け向かったのは
〈グラビア〉
◆今野 敏 小田原参上
◆一色さゆり/夜にかける青い馬
――大戦前夜のドイツ。美術品が辿る過酷な運命を前にして
◆荻堂 顕/ハードブレイク・ホテル
――遠く離れたモザンビークの地で出会った、老人の頼みは
◆京橋史織/幽霊の墓参り
――墓参り代行を請け負う孝太。ある日怪しい依頼が届くと
◆黒田たもつ/噂
――久しぶりに会った姪、でも表情にはどこか影があって
◆長江俊和/イップスの殺し屋
――指が動かず、任務を遂行できなかったのにどうして――
〈書評〉
◆千街晶之/法廷ミステリ最前線
【『家裁調査官・庵原かのん』刊行記念】
〈ルポ〉
◆声なき声に、耳を澄ませて
――裁判所が扱う調停制度が今年で一〇〇周年を迎える。作家の乃南アサ氏を交えて語られた、その裏側とは
第九回「新潮ミステリー大賞」決定発表
全一九四篇から満場一致で選出されたのは、スリル、リアルさ満点のサスペンス小説!
〈大賞〉
◆寺嶌 曜/キツネ狩り(抄)
――N県警登坂警察署の尾崎は、三年前にバイク事故に遭い、婚約者と右眼の視力を失うが――
〈選評〉
貴志祐介/道尾秀介/湊かなえ
【バラエティコラム】
〈うれしい買い物〉平井まさあき(男性ブランコ)
〈あのとき聴いた音楽〉吉田千亜
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉藤つかさ
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈医療・介護〉杉江松恋
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
◆酒井順子/松本清張の女たち
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む 最終回
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
◆益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ 最終回
【好評連載小説】
◆赤川次郎/暗殺
◆伊吹有喜/灯りの島
◆乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
◆河崎秋子/ともぐい
◆桐野夏生/ダークネス
◆篠田節子/ドゥルガーの島
◆新川帆立/三行半のお手伝い 縁切り弁護士・松岡紬
◆寺地はるな/雲に届く 最終回
◆中山七里/絡新婦の綸 警視庁サイバー犯罪対策課
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
◆宮城谷昌光/公孫龍
第二十一回「小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞」決定発表
第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
警察小説、キャリアも新人も
累計三〇〇万部超え、大人気の警察小説シリーズといえば今野敏さんの「隠蔽捜査」。長編十作目となる「一夜」の連載が今号からスタートします。神奈川県警のキャリア刑事部長・竜崎伸也が挑むのは、小田原で起こった作家の誘拐事件。さっそく竜崎節が炸裂、長年のファンはもちろん、これから読み始める方にもおすすめです。
今年上半期の話題作『#真相をお話しします』の著者・結城真一郎さんを輩出した、新潮ミステリー大賞。第九回の大賞が福岡県在住、一九五九年生まれの寺嶌曜さん「キツネ狩り」に決まりました。自らに起こった不幸と引き換えに特殊能力を得た女性警官が、その能力で事件の解決を図る――のですが、彼女をサポートするベテラン刑事とキャリア署長のたたずまいがとっても魅力的で、この人間力があればどんな難事件も解決できるんじゃないかと思えてきます。寺嶌さんがこれからどんな物語を紡がれるのか、心から楽しみにしています。
小説新潮編集長 西麻沙子
次号予告
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。