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島田雅彦「スノードロップ」(140枚)
古市憲寿「百の夜は跳ねて」(230枚)

新潮 2019年6月号

(毎月7日発行)

特別定価980円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/05/07

発売日 2019/05/07
JANコード 4910049010693
価格 特別定価980円(税込)
スノードロップ[一四〇枚]/島田雅彦
憂いの森にいる妃のハートに火をつける者。クローゼットの中の「ダーク・ネット」から革命が始まる。『無限カノン』がついに転生!
百の夜は跳ねて[二三〇枚]/古市憲寿
高層ビルは世界の縮図。その内と外の境界にある窓ガラスを拭く青年に聴こえる声とは? 若き俊才が開く「令和」の文学の新たな扉!
うなぞこ日和聡子
清冽な想像力が捉えた、海底の住人らの命の煌めき。よりどころを求める彼らの運命は。
赤い靴瀬戸内寂聴
ニャウンシュエ松浦寿輝
プリニウス(五十八)/ヤマザキマリ+とり・みき
■■ 連載小説 ■■
チェロ湖(五)/いしいしんじ
ヒロヒト(八)/高橋源一郎
ビッグ・スヌーズ(十七)/矢作俊彦
荒れ野にて(四十二)/重松 清

第52回《新潮新人賞》応募規定
【選考委員】大澤信亮/小山田浩子/鴻巣友季子/田中慎弥/又吉直樹
天皇と人間――坂口安吾と和辻哲郎/先崎彰容
良薬か劇薬か。和辻は人間には天皇や伝統が必要だと言い、安吾は天皇制を危険だと語る。
舞城王太郎と平成文学のナラティヴ福嶋亮大
ヒューマニズムの崩壊に対応した平成の小説家たち――その未完のプロジェクトの軌跡。
宮沢賢治は宇宙の半分今福龍太
渾身の連載「新しい宮沢賢治」を終えた著者が、結末部コーダとして描く「幻想イーハトーヴ紀行」。
■■ 対談 ■■
エリザベスたちは消えない村田喜代子 原 武史
神功皇后から満州国王妃、北九州の老婆まで。動き続ける歴史へ還る、文学と政治の交錯点。
保田與重郎の文学(九)/前田英樹
これは小説ではない(十三)/佐々木 敦
地上に星座をつくる石川直樹
第七十四回・春のスキー
見えない音、聴こえない絵(一七四)/大竹伸朗
■■ 新潮 ■■
◆観葉植物はセックスをするか――岡田利規『NO SEX』をミュンヘンで観る/内野 儀
◆一九九〇年代サブカルを再考する/倉数 茂
◆令和元年のスペースボール/鴻池留衣
◆THIS SANDWICH IS NO MAYONNAISE/佐藤友哉
◆保守的な家族観と言われても/鈴木みのり
■■ 本 ■■
◆日和聡子『チャイムが鳴った』/小川公代
◆今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』/小林エリカ
◆佐伯一麦『山海記』/酒井 信
◆平山周吉『江藤淳は甦る』/富岡幸一郎
◆ジェイ・ルービン編『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』/乗代雄介
◆松浦寿輝『人外』/松原俊太郎

この号の誌面

立ち読み

編集長から

島田雅彦の皇居
古市憲寿の高層ビル

◎「彗星の住人」に始まる島田雅彦氏の〈無限カノン〉三部作(二〇〇三年完)は、十九世紀末の長崎芸者の悲恋から百年におよぶ血族四代の運命を描いた氏の代表作だ。なかでも中心的な主人公カヲルは禁断の恋に落ちる。その相手、不二子は皇太子に見初められた妃候補だったのだ。「スノードロップ」(一四〇枚)は令和の時代に転生した〈無限カノン〉復活作といえよう。心を病んだ皇后として、皇居の森に閉じ込められた不二子は密かな手段を得て、森の外との危険な交信を始める……。島田氏にしか書けない想像力と政治性の融合が、鮮やかに再起動する◎昨年、「平成くん、さようなら」で話題を集めた古市憲寿氏の最新作「百の夜は跳ねて」(二三〇枚)は新鮮な驚きに充ちていた。主人公は高層ビルのガラス清掃員。彼の眼前にはビル内の部屋=生が無数に連なり、背後には巨大な都市が広がる。致死的な高さで作業をおこなう彼は何を見、何を思うのか――この小説は決定的に新しい。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

新潮

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