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千葉雅也「オーバーヒート」(240枚)
第45回 川端康成文学賞発表 千葉雅也「マジックミラー」

新潮 2021年6月号

(毎月7日発行)

特別定価1,200円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2021/05/07

発売日 2021/05/07
JANコード 4910049010617
定価 特別定価1,200円(税込)
オーバーヒート[二四〇枚]/千葉雅也
二〇一八年、大阪。僕に向かって雨が降る――クソみたいな言語の雨が。肉体と哲学、青年期と中年期の交点に立ち、男は未来へ手を伸ばす。『デッドライン』から二年、瞠目の第二中篇!
詩法――あるいは鳥と井戸[新作詩]池澤夏樹
こちら側の人たち藤野可織
プリニウス(七十七)/ヤマザキマリ+とり・みき
■■ 連載小説 ■■
聖都創造(十)/天童荒太
天使も踏むを畏れるところ(十二)/松家仁之
曼陀羅華X(十六)/古川日出男
全然(二十一)/滝口悠生
漂流(二十三)/町田 康
チェロ湖(二十六)/いしいしんじ
ヒロヒト(二十九)/高橋源一郎
ビッグ・スヌーズ(三十八)/矢作俊彦

[第45回]川端康成文学賞発表
マジックミラー千葉雅也
【選評】荒川洋治/角田光代/辻原 登/堀江敏幸/村田喜代子
第34回《三島由紀夫賞》候補作品発表
第54回《新潮新人賞》応募規定 [ウェブ応募受付 近日開始!]
【選考委員】大澤信亮/小山田浩子/鴻巣友季子/田中慎弥/又吉直樹
『豊饒の海』論(七)[短期集中連載]/平野啓一郎
能十番 日英現代語訳いとうせいこう ジェイ・ルービン
第八回・海人
ブリーディング・エッジな言語運用上田岳弘
――トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読む
孤独なテロリストを生み出し続ける構図武田 徹
――磯部 涼『令和元年のテロリズム』を読む
【リレーコラム】Passage――街の気分と思考(23)
ロサンゼルス 拡散する夢柴崎友香
枕木を踏む谷崎由依
大楽必易――わたくしの伊福部昭伝(八)/片山杜秀
小津安二郎(十)/平山周吉
保田與重郎の文学(三十一)/前田英樹
小林秀雄(七十五)/大澤信亮
地上に星座をつくる石川直樹
第九十六回・1年8ヶ月ぶりの旅
見えない音、聴こえない絵大竹伸朗
第一九五回・ボナールと絵付け行
■■ 新潮 ■■
はちみつクレーター石田 千
《シン・エヴァンゲリオン》を見ました。あと他にも西村紗知
はじめてのひ橋爪駿輝
割れるサラダボウルと日本人藤幡正樹

■■ 本 ■■
◆古川日出男『ゼロエフ』/開沼 博
◆津村記久子『つまらない住宅地のすべての家』/高山羽根子
◆三浦哲哉『LAフード・ダイアリー』/都甲幸治
◆杉本博司『江之浦奇譚』/松浦寿輝

この号の誌面

立ち読み

編集長から

千葉雅也のオーバーヒート

 2019年、初小説「デッドライン」(野間文芸新人賞受賞)で鮮烈な小説家デビューを果たした哲学者、千葉雅也の第2長篇「オーバーヒート」(240枚)を発表する。主人公は京都の大学で教職に就き、ゲイであることをカミングアウトしている哲学研究者。彼は言葉の極と肉体の極をたえず往復し続ける。「言語は存在のクソだ」と呪いながら、言葉にまみれ言葉を生み出すことを止められない。かと思えば、若いパートナーとの(時に非パートナーとさえも)底なしの肉体的な快楽を貪るのだ。言葉と肉体の二極の間に広がる家族や社会の次元までが着実に描かれてもいる。そう、千葉雅也は「小説家」として見事な進化を遂げた。
 短篇小説を対象とする貴重な文学賞として文芸シーンに長年貢献してきた川端康成文学賞が二年間の休止を挟み、待望の復活を果たした。その第45回受賞作が千葉雅也の初短篇マジックミラー」に決定(全文掲載)。これは驚くべき事態だ。

編集長・矢野 優

松家仁之「天使も踏むを畏れるところ」 主要参考文献

(この小説は史実に基づいて書かれていますが、登場人物はすべて架空の人物です。)

  • 『建設省二十年史』建設省二十年史編集委員会(社団法人建設広報協議会)
  • 『現代建築をつくる人々』浜口隆一・村松貞次郎(KK世界書院)
  • 『皇居造営 宮殿・桂・伊勢などの思い出』小幡祥一郎
  • 『昭和天皇と田島道治と吉田茂 初代宮内庁長官の「日記」と「文書」から』加藤恭子(人文書館)
  • 『ワシントンハイツ ―GHQが東京に刻んだ戦後―』秋尾沙戸子(新潮文庫)
  • 「工芸ニュース」1949年6月号 商工省工芸指導所(技術資料刊行会)
  • 『皇室建築 内匠寮の人と作品』監修 鈴木裕之(建築画報社)
  • 『日本の建築 その芸術的本質について I』吉田鉄郎 薬師寺厚訳(東海大学文化選書)
  • 『日本の建築 その芸術的本質について II』吉田鉄郎 薬師寺厚訳(東海大学文化選書)
  • 『侍従長の遺言 昭和天皇との50年』徳川義寛 聞き書き・解説 岩井克己(朝日新聞社)
  • 『日本軍兵士──アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕(中公新書)
  • 『私のなかの東京』野口冨士男(文藝春秋)
  • 『完本 皇居前広場』原武史(文春学藝ライブラリー)
  • 『東京都市計画物語』越澤明(ちくま学芸文庫)
  • 『関東大震災 大東京圏の揺れを知る』武村雅之(鹿島出版会)
  • 『外濠 江戸東京の水回廊』法政大学エコ地域デザイン研究所編(鹿島出版会)
  • 『建築の心と技 村松貞次郎対談集――1』(新建築社)
  • 『建築をめぐる回想と思索 キサデコールセミナーシリーズ2』聞き手・長谷川堯(新建築社)
  • 『硫黄島クロニクル 島民の運命』全国硫黄島島民の会
  • 『建築探偵の冒険』藤森照信(ちくま文庫)
  • 『昭和天皇実録 第十一』宮内庁(東京書籍)
  • 『秩父宮 昭和天皇弟宮の生涯』保阪正康(中公文庫)
  • 「新建築 1982年7月臨時増刊 桂離宮」(新建築社)
  • 『宮殿をつくる』高尾亮一(求龍堂)
  • 『皇居』入江相政(保育社)
  • 『入江相政日記 第五巻』入江為年監修(朝日文庫)
  • 『侍従とパイプ』入江相政(中公文庫)
  • 『こんなに面白い東京国立博物館』新潮社編 東京国立博物館監修
  • 『探検! 東京国立博物館』藤森照信・山口晃(淡交社)
  • 『カイコの病気とたたかう』鮎沢啓夫(岩波科学の本)
  • 『皇后陛下傘寿記念 皇后さまとご養蚕』宮内庁協力(扶桑社)
  • 『フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル』明石信道 文・実測図面 村井修 写真(建築資料研究社)
  • 『日本鉄道旅行地図帳 歴史編成 満洲樺太』監修 今尾恵介・原武史(新潮社)
  • 「芸術新潮」2008年8月号「大特集 北京」(新潮社)
  • 『完訳紫禁城の黄昏』上・下 R.F.ジョンストン 中山理 訳 渡部昇一 監修(祥伝社)
  • 『漱石紀行文集』藤井淑禎 編(岩波文庫)
  • 『吉田謙吉が撮った戦前の東アジア 1934年満洲/1939年南支・朝鮮南部』塩沢珠江=著 松重充浩=監修(草思社)
  • 『日本鉄道旅行地図帳 歴史編成 朝鮮台湾』監修 今尾恵介・原武史(新潮社)
  • 『満洲朝鮮復刻時刻表 附台湾・樺太復刻時刻表』日本鉄道旅行地図帳編集部[編](新潮社)
  • 『火と水と木の詩 私はなぜ建築家になったか』吉村順三(新潮社)
  • 『日本の近代をデザインした先駆者 生誕150周年記念後藤新平展図録』(財団法人東京市政調査会)
  • 「芸術新潮」2006年8月号「全一冊 韓国 未知の美と出会う旅」(新潮社)
  • 『図説 満鉄 「満洲」の巨人』西澤泰彦(河出書房新社)
  • 『満洲鉄道まぼろし旅行』案内人・川村湊(ネスコ 文藝春秋)
  • 『韓国の民家』張 保雄著 佐々木史郎訳(古今書院)
  • 『建築の前夜 前川國男論』松隈洋(みすず書房)
  • 『前川國男 賊軍の将』宮内嘉久(晶文社)
  • 『一建築家の信條』前川國男 宮内嘉久編(晶文社)
  • 『日本建築宣言文集』藤井正一郎・山口廣編著(彰国社)
  • 『皇居に生きる武蔵野』毎日新聞社社会部写真部編(毎日新聞社)
  • 『天皇と侍従長』岸田英夫(朝日文庫)
  • 『スウェーデンの建築家』吉田鉄郎(彰国社)
  • 「野村東宮大夫の思い出」入江相政(「文藝春秋」1957年10月号)
  • 『ドキュメント皇室典範』高尾栄司(幻冬舎新書)
  • 『僕の留学時代』東山魁夷(日本経済新聞社)
  • 「芸術新潮」2008年5月号「生誕100年記念特集 東山魁夷 国民画家の素顔」(新潮社)
  • 「皇居新宮殿における宮内庁試案の意図」小畑俊介 山崎鯛介(日本建築学会計画系論文集 第85巻 第768号)
  • 『宮中歳時記』入江相政編(小学館文庫)
  • 『十番目の女神』高尾亮一(求龍堂)
  • 『小泉信三 天皇の師として、自由主義者として』小川原正道(中公新書)
  • 『東宮御所 建築 美術 庭園』設計・谷口吉郎 撮影・渡辺義雄(毎日新聞社)
  • 『現代日本建築家全集6 谷口吉郎』栗田勇監修(三一書房)
  • 『ふたりの山小屋だより』岸田衿子 岸田今日子(文春文庫)
  • 『大学村七十年誌』北軽井沢大学村組合編(北軽井沢大学村組合事務所)

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

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