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今月号の表紙は、大竹伸朗さん。

波 2018年12月号

(毎月27日発売)

102円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/11/27

発売日 2018/11/27
JANコード 4910068231284
定価 102円(税込)

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阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第15回

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[インタビュー]原田マハ/アートという名の泉を訪ねて

ジョン・チーヴァー 、村上春樹/訳『巨大なラジオ/泳ぐ人』
金原瑞人/アメリカ短篇小説の黄金時代を味わう

アリス・マンロー 、小竹由美子/訳『ピアノ・レッスン』
津村記久子/アリス・マンローの正確な手付き

大竹伸朗『ナニカトナニカ』
大竹昭子/描く、貼る、撮る

筒井康隆『不良老人の文学論』
尾川 健/永遠の不良のままで

津野海太郎『最後の読書』
酒井順子/その先に、新しい読書の道が

黒川 創『鶴見俊輔伝』
高橋源一郎/まともであること

沢木耕太郎『作家との遭遇―全作家論―』
石戸 諭/「読むこと」のレッスン

神永 学『アトラス―天命探偵 Next Gear―』
小峰麻衣子/さらなる進化を遂げた「脳内映像ミステリー」

深沢 潮『かけらのかたち』
倉本さおり/自分自身の〈かたち〉を知るために

遠藤彩見『千のグラスを満たすには』
鈴木涼美/カラの心を満たすもの

生馬直樹『偽りのラストパス』
吉田伸子/ミステリの枠を超えた物語世界

福岡伸一『ナチュラリスト―生命を愛でる人―』
真鍋 真/福岡伸一的「ナチュラリスト」

大野哲弥『通信の世紀―情報技術と国家戦略の一五〇年史―』
手嶋龍一/“武器なき戦争”の前線に立つ

小谷みどり『没イチ―パートナーを亡くしてからの生き方―』
[対談]小谷みどり×中瀬ゆかり/没イチ同士、没イチを語る

志村仁太郎/「城山三郎」を読み返す――城山文学と〈2〉という数字

[追悼 長部日出雄]大村彦次郎/うわァ、オサベさーん

[記念特別対談]
竹宮ゆゆこ『あなたはここで、息ができるの?』
津村記久子『この世にたやすい仕事はない』(新潮文庫)
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【コラム】
とんぼの本編集室だより

黒井克行『指導者の条件』(新潮新書)
黒井克行/「信頼」の裏付けはあるか

【新連載】
古市憲寿/ニッポン全史
三枝昂之・小澤 實/掌のうた

【連載】
ブレイディみかこ/ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 第12回
伊藤比呂美/URASHIMA 第7回
津村記久子/やりなおし世界文学 第55回[最終回]
(次回からは webでも考える人での連載となります)
土井善晴/おいしく、生きる。 第2回
大塚ひかり/女系図でみる日本争乱史 第5回
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第105回
川本三郎/荷風の昭和 第7回

編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月号の表紙は、大竹伸朗さん。

◎今月号の表紙は大竹伸朗さんによる撮影。瀬戸内海の女木島に大竹さんが制作したアートスポットでの一枚です。
◎大竹さんの本拠地は宇和島。私は例の黒地にオレンジの宇和島駅Tシャツを愛用していたのですが、ある日「新潮」編集長も着ているのを発見し、向うが少し先輩なものだから(大竹さんに誌名のロゴも連載――これを纏めたのが新刊の『ナニカトナニカ』――も頼むくらいの男だし)、遠慮して着なくなったのを急に思い出しました。
◎大竹さんは、今夏の豪雨被害の復興支援のため「宇和島チャリT」を新たに制作して、宇和島市に寄贈しています。市のHPによれば、「大竹氏の意思により、売上金の全額(消費税等をのぞく)を義援金として寄附し、被災者の復興支援に役立てることとしており、「道の駅きさいや広場」をTシャツの販売元」とする由。一枚三二四〇円(税込)、S〜4XLサイズまであり。
◎昨年「」が創刊五〇年を迎え、南陀楼綾繁さんにバックナンバーを全て読んで、「ナミ戦記」を書いて貰いました。あの連載が十月号から始まったのは、夏まで記念イヤーであることを失念していたからです。あれはまずかった。ところが最近「図書」十一月号を読んでいると、編集後記に当る頁に「本誌もことしが創刊八〇年にあたります。ある小社OBの方から思わぬご指摘をいただくまで気づかぬとは」云々とあり、いやもう御同慶の至りとも違う、とにかく「今年中に気づいて良かったですねえ」と見知らぬ同業者の肩を叩きたくなりました。
▽来年は「みすず」さんが創刊六〇年、「ちくま」さんが創刊五〇年です。出版社PR誌を今後ともどうぞ御贔屓賜りますよう。
▽次号の刊行は十二月二十七日です。

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雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。