ホーム > 雑誌を探す > 雑誌詳細:波 > 雑誌詳細:波 2021年11月号

今月の表紙の筆蹟/イラストは、西加奈子さん。

波 2021年11月号

(毎月27日発売)

100円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2021/10/27

発売日 2021/10/27
JANコード 4910068231116
定価 100円(税込)
「波」はお近くの書店からもご注文できます。

【筒井康隆掌篇小説館】
筒井康隆/塩昆布まだか
阿川佐和子/やっぱり残るは食欲 第50回
【特集 ダイアローグ!】
【北中正和『ビートルズ』(新潮新書)刊行記念】
[対談]北中正和×ピーター・バラカン/なぜビートルズだけが別格なのか?

【早見和真『イノセント・デイズ』50万部突破記念】
[対談]早見和真×長濱ねる/物語における「救い」とは[前篇]

【立川キウイ『談志のはなし』(新潮新書)刊行記念】
[対談]立川志の輔×立川キウイ/没後10年、談志を語る

【千早 茜、新井見枝香『胃が合うふたり』刊行記念】
[鼎談]千早 茜×新井見枝香×トミヤマユキコ/最高の相棒は食卓にいる
西加奈子『夜が明ける』
白岩 玄/心の貧困に抗う

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』
東畑開人/『2』はつらいよ

片寄涼太、小竹正人『ラウンドトリップ 往復書簡』
桜木紫乃/見えない問題集

梨木香歩『ここに物語が』
[インタビュー]梨木香歩/取り憑かれたように読み、伝えたくて書く――日常に共にある本と物語の背景

アリ・スミス、木原善彦 訳『冬』(新潮クレスト・ブックス)
藤野可織/分断を抱えながら手を伸ばす

貫井徳郎『邯鄲の島遥かなり』(上・中・下)
大矢博子/畢生の、大いなる人間讃歌

北杜夫、斎藤国夫 編『憂行日記』
待田晋哉/心の奥の美しい洞窟

三浦佑之『「海の民」の日本神話―古代ヤポネシア表通りをゆく―』(新潮選書)
赤坂憲雄/「国家」に抗する「海の民」

結城真一郎『救国ゲーム』
千街晶之/最新のテクノロジーと偉大な遺産

本城雅人『黙約のメス』
縄田一男/「きれいな体」への祈りと約束
【新潮文庫「重松清の本」フェア記念エッセイ】
重松 清/「最泣」って、「さいなき」でいいのかもね。
【短篇小説】
北村 薫/湯 後篇
【私の好きな新潮文庫】
亀石倫子/後ろ暗さを抱えながら
 中村文則『悪意の手記
 太宰 治『人間失格
 チェーホフ、小笠原豊樹 訳『かわいい女・犬を連れた奥さん
【今月の新潮文庫】
サマセット・モーム、金原瑞人 訳『人間の絆』(上・下)
あさのあつこ/ミルドレッドによせて
【コラム】
[とんぼの本]編集室だより

譚 ろ美『中国「国恥地図」の謎を解く』(新潮新書)
譚 ろ美/「国恥地図」を知れば、中国人の頭の中が分かる

三枝昴之・小澤 實/掌のうた
【新連載】
春画ール/春画の穴
【連載】
ジェーン・スー/マイ・フェア・ダディ! 介護未満の父に娘ができること 第14回
南沢奈央 イラスト・黒田硫黄/今日も寄席に行きたくなって 第23回
大木 毅/指揮官たちの第二次世界大戦 将星の横顔をみる 第5回
高嶋政伸/おつむの良い子は長居しない 第3回
二宮敦人/ぼくらは人間修行中 第12回
川本三郎/荷風の昭和 第42回
編輯後記 いま話題の本 新刊案内 編集長から

立ち読み

編集長から

今月の表紙の筆蹟/イラストは、西加奈子さん。

◎Eテレ「遠藤周作 封印された原稿」は、昨年発見された小説『影に対して』をめぐる刺激的なドキュメンタリー。就中なかんずく、作中の母親が息子に宛てた、〈アスファルトの道は安全だけど振り返っても足跡が残っていない。砂浜は歩き難いけれど足跡が残る〉旨の手紙が印象的でした。小説は未発表でしたが、後年このフレーズを遠藤さんが自分の息子へ語っていたことも明かされます。
◎子息・龍之介さんはテレビ局に就職する際、父から「俺は砂浜を歩いてきたが、お前はサラリーマンというアスファルトの道を歩くのか。足跡が残らないぞ」。入社後、今度は「アスファルトの歩き心地はどうだ」と訊かれたので、「歩き心地はいいんですが、お父様の嗅いだことのない排気ガスの匂いも嗅いでおります」と答えた由。いかにもマスコミの人間らしい減らず口が楽しい。
◎龍之介さんは父を回想しながら、「生きていると必ず、弱き者や恵まれない者と出会う。その時、どういう感慨を持つか、持たないかにかかっている」とも洩らします。実に遠藤周作らしい教えで、『沈黙』のキチジロー、『人生の踏絵』の無力な男イエス・キリスト、「影に対して」の父母などを思い起させて感動的。
◎砂浜を歩き、弱き者を思う生き方とは? 昔、僕が長崎で鮨屋の主人(遠藤さんの劇団の一員)に聞いた話。「毎回、最初の稽古で先生が『今日から公演が終わる迄は人生を愉しみたい。生活も大事だけど、生活を忘れて人生を大いに愉しんで下さい』と挨拶された。この言葉を自分の人生に活してきたつもりです。生活の安定第一だった私が、生活より人生を優先すべきなんだ、例えば死ぬ時にどれだけ豊かな心で死ねるかだなあ、と思うようになりました」
▽次号の刊行は十一月二十七日です。

お知らせ

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24頁、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後といった時代でした。この後、1969年に隔月刊に、1972年3月号からは、毎月刊行の月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしました。

 創刊号の目次を見てみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行した北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイ。続く「最近の一冊」では、小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイ。続いて「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 以来41年、2007(平成19)年6月号で通巻450号を迎えました。読書情報誌としての重要な役割の情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。小川国夫『青銅時代』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、遠藤周作『イエスの生涯』(「聖書物語」を改題)、小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』などなど。

 2007年1月号からはレイアウトもリニューアル、頁数も増え128頁となりました。これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みで、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。