
「小説新潮」2018年8月号は怪談大特集。
ことばで説明のできない不思議なこと(できごと)、怪奇。夜ごと体を離れて首だけが恋人のもとに通う娘の怪しげな恋慕と残酷な死「首の飛ぶ女」(倉橋由美子『倉橋由美子の怪奇掌篇』)、鼓作りの男が想いを寄せる女に贈った鼓の、尋常ならざる音色が不吉な事件を起こす「あやかしの鼓」(夢野久作『死後の恋―夢野久作傑作選―』)など、奇奇怪怪な世界へお連れしましょう。
驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。
気づけば私は、今はほとんど本置き場と化している洋室を振り向いていた。
[本書より →立ち読みへ]
その奥のクローゼット――なぜか仕切りが細かく作りつけられてしまっているために洋服は収納しづらい――にしまい込んだままの一枚のポスター。それはある広告代理店の社用封荷に折り畳んで入れてあり、 封箇の口は仰々しい御札で閉じられている。
遺言に従って遠野を訪れ、この地の旧家で起こった八十年前の不可解な猟奇殺人事件を知る。
娘が片腕で開けた井草の
[本書より →立ち読みへ]匣 には、享保雛 の大きな首……、ではなく、なつかしい左半身、逆袈裟 に千切られた自分の腕と首が、つんと目を瞑 って入つてゐたのである。
奇才夢野ワールドから厳選した究極の甘美と狂気、全10編。
人間の心に潜む善と悪の葛藤を描き、二重人格の代名詞としても名高い怪奇小説
ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りし始めた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。
著者独特の文体でえぐりだす怪奇短編20編
長風呂がたたってガイコツになった少年の病名は突発性溶肉症と診断された「事故」。夢の中に現われる世にも醜悪な男のたくらみ「交換」。
黒い笑いと恐怖にみちた表題作
テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた――「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書き立てる。なぜ、平凡なサラリーマンであるおれのことを、マスコミはさわぎたてるのか?
戦争ものと、超自然現象に取材した怪奇ものを集めた
のんびりと釣りを楽しんでいた二人の市民がスパイに間違えられ無残にも銃殺されてしまうまでを坦々と描いた「二人の友」
ドイルの短編のなかから恐怖をテーマとした傑作6編
イギリスの片田舎の畑で発見された血の染みたノートブック。そのノートには恐るべき怪物との闘いが記されていた。