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あまちゃん、大吉とユイが見た衝撃の景色

 9月1日は関東大震災が起こった日です。その関連の記事を先週5日間ブログに掲載しました。今日は9月2日(月)ですが、NHK朝ドラ「あまちゃん」では、3月11日でした。たまたま今年は9月1日が日曜日だったからでしょう、関東大震災の日にして防災の日、ここに3月11日を持ってきたんですね。

 大吉が乗務する北三陸鉄道の列車は、地震によって畑野トンネル内で急停車しました。東京に向かうためにこの列車に乗車していたユイ。前方に見えるトンネル出入口に向かって歩いて行く大吉。そして出入口に立ち尽くします。目の前には津波によって何もかもが破壊された景色がありました。大吉に続いてその景色を見たユイも呆然と立ち尽くしました。
 ここで使われていた変わり果てた景色は、実際には島越(しまのこし)駅付近の景色です。
santetsu3.jpg▲撮影:編集部 平成23年4月30日
 大吉とユイが見たことになっている景色とほぼ同じ位置から撮影したのが、この写真です。右の斜面に家が建っていますね。震災前はトンネルとトンネルの間に島越駅のホームがありました。左手はすぐ海に面しています。 santetsu2.jpg▲撮影:三陸鉄道 平成22年8月22日
santetsu4.JPG▲撮影:三陸鉄道 平成22年8月22日
 無粋ですが、事実関係を簡単に記しておきます。東日本大震災が起こった3月11日14時46分頃、三陸鉄道の列車は、北リアス線に1本、南リアス線に1本が運転中でした。北リアス線の列車は白井海岸駅を出て普代駅に向かっていました。乗客は20人ぐらい。停車から4時間後、地元消防団によって乗客全員が避難所に送り届けられました。

santetsu1.jpg 南リアス線の列車は、吉浜~唐丹間の鍬台トンネル(3907m)の中で急停車しました。乗客は2人でした。運転士は余震の続く中、トンネルの出入口が光が、生への光明のようにかすかに見える吉浜側に乗客を誘導。トンネルから出た時、運転士の休石(やすみいし)さんはその変わり果てた景色に愕然としたそうです。写真は鍬台トンネルの吉浜側出入口。約3か月ぶりにトンネルから引き出された車両です。
「あまちゃん」ではこの南リアス線の休石運転士の話と北リアス線島越駅の破壊の衝撃をミックスしたようですね。私も取材で島越駅周辺の破壊ぶりを最初に見たときの衝撃は忘れません。
▲撮影:三陸鉄道 平成23年6月24日
 防災の日に「3月11日」を持ってくるなど、さすが「あまちゃん」、人気だけではありませんね。関連写真は当Webの「三陸鉄道北リアス線」ページから、島越駅などをご覧ください。

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編集部 田中比呂之(ひろし)   

2013年09月02日   東北   タグ : あまちゃん, 三陸鉄道

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