昭和天皇が乗車した御召列車全列車を掲載した『昭和天皇御召列車全記録』を9月末に刊行しました。乗車記録のほか、写真や記事も掲載していますが、乗車した回数は私の予想を大きく上回わり、その分、写真や記事をかなり割愛せざるを得ませんでした。「記録」の一部を割愛することも何度か考えなくなかったのですが、ここは全記録にこだわりました。
特に写真はかなりの枚数を準備していましたが、多くの写真の掲載をあきらめました。または掲載できたものの、切手大の写真もあります。例えば、大正11年7月の北海道行啓の際の写真は、まさに切手大の掲載になりました。
これらの写真は未発表の写真ではありませんが、よく見かける写真というわけでもありません。このように少し大きくするだけでもかなり印象が違ってきます。
また王子専用鉄道に乗る前に、苫小牧軽便鉄道にも乗車しています。この時使用された客車は、苫小牧軽便の貴賓車ではないかと推定しています。実は昭和天皇がこの客車に乗車したかどうか、どうしても確認がとれませんでした。
この客車は苫小牧軽便鉄道を運営する三井物産の重役用だということです。なかなか格好良い客車です。内装も豪華。ただし残念ながら乗車の確認が取れなかったので、掲載を見合わせました。
(所蔵/三宅俊彦氏)
(所蔵/三宅俊彦氏)
イベントではこうした写真を御覧いただきながら、天皇の行幸啓がどいうものだったのか、どのような意味が込められていたのかなど、監修者の原武史さんのお話をうかがっていきます。
今週は、イベントの前情報として何回かこの「悠悠自鉄」で未掲載写真について書こうと思います。
イベントは11月14日(月)です。是非ラカグへお越し下さい。
イベントの詳細はこちら
田中比呂之(ひろし)
原武史/監修、日本鉄道旅行地図帳編集部/編