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「ななつ星」の区間別編成向き

 来週の火曜日(15日)、博多駅ホームの晴れがましい「ななつ星」の姿が目に浮かびます。先頭のDF200のエンジン音、それに続く電源を積んだ1号車と2号車の音。華やかな式典の喧噪。こうして送り出される1番列車のお客さんはどんな方々でしょう。

 列車は鹿児島本線を下って久留米に向かいます。ウエルカムドリンク片手の乗客に、車内放送のご挨拶。それともラウンジカーかダイニングカーで直接ご挨拶ということかもしれません。1番列車ですから社長直々のご挨拶もないとは言えませんね。昼食の「ウエルカム寿司」はどのあたりで饗されるのでしょう。
 hensei.jpg車内放送の内容も気になります、切符があるのか、それとも乗車記念証のようなものが手渡されているのでしょうか。鉄道ファンの興味は尽きません。
 久大線に入って由布院に向かいます。久留米では方向は変わりません。1号車ラウンジカーの前に機関車がついています。由布院に7時間停車してから、夜中に大分へ。夜中ですが、ここで方向転換、走る向きが変わります。機関車は7号車DXスイートの前につきます。本誌お薦めの佐伯の絶景区間は真夜中に通過、早朝に目が覚めた乗客には進行方向左側に日向灘が見えるかもしれません。
▲日本鉄道旅行地図帳九州沖縄 大改訂2014より
 朝食のあとのコーヒーはラウンジカーの大窓から過ぎゆく線路を眺めながら......。楽しい1日が約束されているような朝ですね。宮崎着は9時頃。宮崎が新婚旅行のメッカだったころの世代の方々には懐かしい場所かもしれません。観光のあとは都城から乗車(ですか?)。都城からは山の中を走って隼人へ。隼人14時頃着。ここで早くも今夜の宿「天空の森」へ。列車はここで1日留置でしょうか。
 3日目は隼人発14時頃。時間の使い方も贅沢ですね。1時間で鹿児島中央に到着します。(15時頃着)。鹿児島観光となります。コースは2つあるようですが、もうひとつ肥薩おれんじ鉄道に乗り入れて、夕陽に輝く東シナ海や八代湾を楽しむツアーも入れて欲しいところです。
 鹿児島発22時頃。1号車ラウンジカーの前に機関車がつきます。かつての鹿児島本線である肥薩線経由で八代・熊本に向かいます。この区間を夜中旅客列車が走るのは、門司港~八代~人吉~都城を結んでいた夜行普通列車以来でしょうか
 肥薩線の大畑ループは、日本三大車窓といわれる絶景区間です。この絶景を楽しむ列車「いさぶろう・しんぺい」号が走っていますが、「ななつ星」はここを夜中に通過します。もったいないですね。人吉から先の球磨川も暗闇の中です。熊本で進行方向が変わり、7号車の前に機関車がつきます。夜明けはまだです。夏であれば、肥薩線立野のZ型スイッチバックにさしかかる頃、ようやく夜明けを迎えます。
 鉄道的見どころを夜間に通過して阿蘇に到着します。ここで朝食です。駅舎とは反対側の2番線ホーム上に、朝食レストラン「火星」があります。地元の食材を使った朝食を、外輪山を眺めながら摂るという贅沢な仕掛けです。
se-2.JPG▲撮影:川井聡
 このレストラン「火星」は、一般のお客さんも利用できます。入場券か乗車券を持っていれば、一般の人でも唯一「ななつ星」の片鱗に触れることができる場所です。列車は10時頃大分へ向けて出発します。
 大分でまた方向転換して、久大本線に入ります。機関車は1号車の前に。「ななつ星」は1日目に通った久大本線を、1日目とは反対の車窓で走ります。そして17時半、贅を尽くした旅が終わります。
 お客さんにはどうでもいいことでしょうが、博多に戻ってきた編成は、出発時と逆編成になっています。次回のツアーでは逆になったまま運行するのでしょうか。とても気になります。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年10月08日   九州・沖縄   タグ : ななつ星

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