新潮新書

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編集者から

一冊一冊の本に、生まれたきっかけや制作にまつわるエピソードがあり、編集に携わった担当者の思いがこもっています。そんな「裏方からのひとこと」、よろしければご一読を──。

担当編集者のひとこと

編集長から

新潮新書とは?

新潮新書は2003年4月に創刊されました。
創刊ラインナップの一冊として刊行された『バカの壁』が400万部を超えるベストセラーとなり、2005年11月に刊行された『国家の品格』も200万部を突破。
もちろん、ほかにも面白い本が揃っています。
出版界で話題を集める新潮新書の「豆知識」をご紹しましょう。

そもそも「新書」ってなに?
明確な定義はなく、「新書判」(173mm×108mm)の本はすべて新書であるともいえます。ノベルスとよばれる小説の単行本もこのサイズですが、通常は「同じ装幀のもとに刊行される、書き下ろしノンフィクション作品のシリーズ」を指すことが多いようです。内容の傾向から、ハウツー本など実用書中心の「実用新書」と時事問題や基礎教養をおもなテーマとする「教養新書」に分類されます。新潮新書は後者になります。

これまで、新潮社に新書はなかったの?
いわゆる教養新書ではありませんが、昭和36年1月から40年4月にかけて68冊を刊行した「ポケット・ライブラリ」というシリーズがありました。「長篇推理小説をはじめ記録、体験にもとづく読物など、枠を決めずに興味ある内容を収録する」という編集方針のとおり、松本清張の『歪んだ複写』やガガーリンの『宇宙への道』などが並ぶ、広い意味での「新書」でした。もちろん、今では手に入らないレア物です。

新潮新書に「身体的特徴」は?
表紙・カバーともに、新潮社装幀室がデザインしました。新潮社の代表的な意匠を取り込んだ、自慢の「顔」です。

【英文】カバー上部の英文(Brevity is the soul of wit, and tediousness the limbs and outward flourishes.)は、シェイクスピアハムレット』の一節です。この「簡潔こそは智慧の心臓、冗漫はその手足、飾りにすぎませぬ」(福田恆存訳)という言葉、新書の本質とも共通するのではないでしょうか。

【樽エス】カバーと背の上部のマークは、社名の頭文字をあしらったもの。「樽エス」と内輪では呼ばれています。昭和40年から使われている新潮社のシンボルマークです。

【人類の文字】新潮新書を手に取ったら、ぜひ一皮むいてみてください。カバーを外すと、新潮社本館ロビーの壁面彫刻「人類の文字」が現れます。表紙でお見せできるのはほんの一部分ですが、実物は古今東西の26種類の文字をちりばめた大規模なもの。文字に対する「愛情と畏敬の念」を示すこのデザインは、小社の手提げ袋やオンデマンド出版物の表紙にも用いられています。

「いつ」「どこで」読む本?
いつでも、どこでも読んでください。TPOは問いません。
【ベッドで】眼が疲れた夜でも、大丈夫。本文には9.5ポイントという一回り大きめの活字を使い、1ページあたり39字×13〜15行とゆったりした作りです。
【電車で】コンパクトで、持ち運びにも便利。その秘密は、新たに開発した専用の用紙にあります。新潮社らしいクリーム色の紙は、薄いのに文字や写真が裏写りせず、しなやかだから軽くて開きやすい。つまり片手でも読みやすいのです。

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