『百駅停車』に触発されて以来、駅舎のことを考えない日はありません。とはいえ、筆者の杉﨑さんのように長年駅を見つめ、建築史から駅舎を眺める知識はもちろんありません。この本の編集をするまでは、マンサードとファサードの違いなど知るはずもありません。駅舎を見ても、大きいとか、小さいとか、古いとか、新しいとか、子供のような感想しか浮かびませんでした。
箱根十国峠ケーブルカーの十国峠駅。十国を見渡すことができる箱根の頂に円形の駅舎があります。杉﨑さんは「草原のヤコブセン」という見出しをつけてきました。「?」。
------この駅舎が建てられたのは昭和31年のケーブルカー開業時で、当時は公共建築においても、地域性や民族性を超えた幾何学的立方体が特徴のモダニズム建築が全盛の時代でもあった。( 『百駅停車』p112)
連休に行ってきました。JR私鉄は全乗しているものの、ケーブルカーはこの十国ケーブルと天橋立ケーブルが未乗でした。3分で山上へ。ほぼ快晴で富士山がきれいに見えました。写真を見て、勝手にコンクリートだと思っていましたが、木造でした。 実物を見て、小学校時代を思い出しました。東横線沿線で小学校時代を過ごしましたが、通っていた小学校の校舎が実は円形校舎でした。校歌にも「円形校舎聳え立つ」というフレーズが入っていました。
十国峠駅の円形駅舎が昭和31年の竣工。私が通った小学校の円形校舎の竣工も確かその頃です。他にもいくつか円形校舎を見たことがあります。確か江差線の車窓から見た記憶もあります。
駅舎初級者の私がいま密かに注目しているのは、似ている駅舎です。これは誰にでもわかるので、楽しめます。現在 当サイトにある駅の写真では、千歳線の植苗と美々がほぼ同じ駅舎でしょう。色使いが若干違うだけ。左が植苗、右が美々 2点とも撮影:杉﨑行恭氏(クリックするとポップアップします)
実は北海道にはいくつか相似形の駅舎があります。残念ながらまだ写真が投稿されていないのですが、札沼線の札比内と晩生内(おそきない)、石勝線川端と滝ノ上などなど、ほかにもいくつもあるようです。
ご投稿をお待ちしております。「似たもの駅舎探し」をやってみたいと思っております。
追伸 「轍のあった道」様で 『百駅停車』を取り上げていただきましたので、是非こちらも御一読ください。
Web日本鉄道旅行地図帳編集部 田中比呂之(ひろし)