小社ホームページ内にある「矢来町ぐるり」に、毎月テーマを決めて駅スタンプを提供しています。7月のテーマは「東北の温泉」。東北6県、どこに行っても特徴のある温泉があります。
もともと7月は別のテーマを考えていました。季節を考え、「海水浴」にしようと思っていました。北海道では興浜南線雄武駅、羽幌線羽幌駅のスタンプに海水浴の文字や絵が描かれていたので、本州方面に行けば、簡単に海水浴の絵柄を集めることができるだろうと踏んでいました。(ここにご紹介したスタンプは、雄武以外は新金沢文庫コレクションです)。
ところが新金沢文庫コレクション数百枚を、1枚1枚丹念に見ても、結局それらしい絵柄は10枚程度でした。これでは1ヶ月持ちません。新金沢文庫コレクションは昭和30年代のスタンプが中心ですから、海水浴の図案がもっとあっても不思議ではありません。
北海道は海水浴ができる時期が短いために、その特殊性が図案になったのかもしれません。東北では陸前高田のスタンプに「高田松原海水浴場」の文字が入っています。
海水浴という行為が衰退したのではなく、おそらく鉄道を使って海水浴に行くことがなくなった、少なくなったということなのでしょう。私は小学生の頃、親に連れられて京浜急行で三浦方面に海水浴によく行きました。当時は夏になると海水浴臨時電車が多数運転されていましたが、近年は走っていません。
余談ですが、臨時列車というのは鉄道の栄枯盛衰を反映しています。スキー、スケート、海水浴などはとてもわかりやすい例です。冬の時刻表が発売されれば、「銀嶺号」や「スキー号」が走ることを確認したのも、昔話になってしまいました。
私のお気に入りの写真をご紹介します。函館本線蘭島駅に投稿してある星良助さん撮影の写真です。この写真を最初に見たときには衝撃でした。たしかにこういう時代がありました。▲撮影:星良助氏
そういえば私自身最後に海水浴に行ったのは、いつのことだったか、思い出せないぐらい昔になってしまいました。
追伸 申し遅れましたが、7月の毎週月曜日の早朝、TBSラジオで鉄道の話をします。パーソナリティの柴田秀一は、中学の同級生です。
番組ホームページへリンク(TBSラジオ ラジオパープル 早朝4時〜5時)
編集部 田中比呂之(ひろし)