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駅旅北関東 新・旧・皇

 昨日に続き、「休日パス」の旅です。日曜日に大寝坊したために、泊まりがけを断念し、土曜日は成田線、そして日曜日は東北本線の黒磯~宝積寺間の駅を訪ねてきました。意外な発見もあり、楽しい旅になりました。最後は烏山線を往復してきました。この線に乗るのは20年ぶりぐらいでした。

 神奈川県に住んでいる者にとっては、栃木県のこのあたりにはほとんど馴染みがありません。東北方面に出かけるときは、昔は東北本線の特急や夜行で通り過ぎ、今は新幹線に乗ってしまうので、車窓にも馴染みがあまりありません。ただ、西那須野には3度、氏家には1度降りたことがあります。いずれも東野鉄道の廃線跡を辿るためでした。
 今回は東京から「やまびこ」で那須塩原まで行き、東北本線電車黒磯行きに乗り換えました。なんだか既視感があるなと記憶が辿ると、なんと東日本大震災の最初の取材のときに乗った順路でした。あの時は新幹線が那須塩原までしか開通していませんでした。つい2年前のことなのに、うろ覚えとは情けない。あの時も構内のそば屋に入りました。
 意外に簡素な駅正面を撮影したあと、右横を見ると、観音開きの木製の扉があり、その前は車寄せになっています。黒磯には貴賓室があるのですね。旧駅舎から受け継がれているそうですが、今は通過する新幹線高架下に駅事務室や改札とともに、貴賓室が置かれています。新幹線開通後も、この駅を利用して皇室の人々は御用邸に行くことがあるのでしょうか。
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 黒磯から上り電車に乗り、片岡で降りてみました。電車に乗るまでこの片岡駅の存在を知りませんでした。5両編成の最後尾に乗っていたのですが、ドアが開いて降りると、目の前にランプ小屋が。しかも立派な煉瓦造りです。その隣は鎧張りの木造便所。さらに木造駅舎と続き、ただならぬ雰囲気が漂っています。
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 駅舎の外側には別屋根が張り出して、木造の柱で支えられています。屋根には瓦が乗っています。いろいろな角度から写真をとり、駅舎に貼り付けられている財産標を探しました。ホーム側のちょっと見にくいところに貼ってあるのを見つけました。写真の通り「明治30年」です。私が見た財産標の中ではもっとも古いものです。

 明治30年の財産標に気をよくして、ちょっと戻ってみることにしました。2つ戻って野崎で降りました。ここも古そうな駅舎です。片岡と似て、別屋根を何本かの柱が支えて、アクセントになっています。財産標は入口のところに貼ってあり、なんど「明治29年」でした。
 駅前は整備されたばかりのようで、その対比で古い駅舎が引き立っていい感じになっています。整備された駅前の一郭に那須与一の銅像がありました。那須与一は大田原市の出身だそうですが、まさかこの駅が大田原市に属しているとは思いませんでした。余談ですが、岡山県井原も那須与一ゆかりの地で、井原鉄道の井原駅は、扇の形を模した近代的な駅舎です。
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 そのあと矢板、氏家などで降りて撮影しましたが、明治の駅舎に触れたあとでは、どうしても印象が薄れます。そうして到着したのが宝積寺でした。烏山線を往復して帰ろうと降りたのですが、橋上駅舎は美術館のような建物になっていました。しかも駅前の石造りの倉庫まで、格好良く改造されています。駅舎内の天井はなんと表現したらいいのやら。写真をご覧ください。
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 烏山線の終点烏山駅も形のよい駅舎で、那須烏山市の近代化遺産にも指定されています。しかしこの日見た駅舎はどれも濃厚な雰囲気を漂わせている駅舎ばかりで、近代化遺産といえども、印象が薄くならざるを得ませんでした。さらに宝積寺駅で見たキハ40国鉄色車両が、私の記憶を混乱させてくれました。
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 編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年07月19日   関東   タグ : 東北本線, 烏山線

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