成田線、久しぶり

 三連休は東北方面に出かけようと、金曜日に「休日パス」を買いました。土曜日は休養日にあてました。ところが土曜日は熱帯夜となり、早寝に失敗。結局朝方4時頃まで眠れず、目が覚めたら11時をまわっている、という最悪の事態に陥りました。気を取り直すのに多少時間がかかりましたが、とりあえず行き先を決めず、横浜駅に向かいました。

 行き先表示を見て乗る電車を決めよう、と横浜駅改札口で電光掲示板を見ると、5分後に快速「エアポート成田」が来ます。ではこれに乗って成田まで行くか、それから何十年も乗っていない成田線で我孫子に出よう。先頭車のボックス席に座りました。形式表示を見ると「E217−1」でした。窓側に向かい合って座っていた中年夫婦が、武蔵小杉で降りたので、それから成田まで車窓をボンヤリ眺めて過ごしました。
 気が変わることなく成田まで乗って、駅舎の写真を撮って、駅そば屋に入り「冷やしかき揚げそば」を注文。駅そばはどこに行っても「天ぷらそば」を食べるのが常ですが、さすがに35度近い気温に負けて、「冷やし」にしました。そのあと京成成田駅も撮り、成田線の乗客となりました。E231系10両編成です。これはさすがに輸送力過剰ではないかと思いました。
 「乗りつぶしノート」で駅を確認すると8駅中、少なくとも3駅は難読駅でしょう。成田からひとつ目の下総松崎。松崎を「まんざき」と読ませます。クーラーの効いた車内からボンヤリ駅名標を見て、驚きました。次は安食。難読駅としては有名かもしれませんが、「あじき」は知らなければ読めませんね。次は小林。これは難読駅ではありません。「こばやし」です。こぢんまりとしたいい駅舎でした。

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 成田からこのあたりまで田んぼが広がっています。田んぼの向こうには低い丘があり、車窓から眺めるわずかな時間でもホッとする風景です。千葉、とくに下総はこの田んぼや田園や里山といった私が勝手に「日本の原風景」と呼ぶ風景の宝庫です。桜の景色もあります。
 小林の次は木下。「きおろし」です。たしか井上ひさしさんの作品に出てきて、珍しい読みだなと思った記憶があります。駅は巨大な橋上駅舎でした。布佐からは何語か判別できない言葉を話す人たちが乗ってきて、ガラガラの車内のあちこちで横になったりしています。それが特段変わったことをしている、といったふうでもありませんでした。何人かフルフラットで熟睡しているようでした。その集団も東我孫子で降りていきました。
 成田線の我孫子〜成田間に最初に乗ったのは、まだ電化前でキハ11かキハ17だったと思います。何故この線に乗ることになったのか、今となっては思い出せません。思い出せるのは、この我孫子で初めて自分のお金で駅弁を買ったことです。150円だったと記憶していますが、この時、値段の割には腹の足しにならないな、と思ったことが、その後、鉄道ファンでありながら、駅弁を積極的に食べることがなかった遠因ではないかと思っています。

 編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年07月18日   関東   タグ : 成田線

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