昨日に続き、東急東横線のことについて書きます。昨日はダイヤが乱れた時の対応が、今年3月の改正以前と以後で変わったことに触れ、乗客はその対応に文句をいうこともなく従っているように見えると書きました。
東横線が渋谷駅地上ホームから地下ホームに発着するようになったのは、3月16日の改正からです。ここでは帰宅時の深夜の時間帯、23時から0時過ぎの平日下りダイヤの変化について取り上げます。東横線全線を走る横浜行き最終電車は改正前、改正後も0時19分発で変わりません。
では23時からこの0時19分までの電車で元町・中華街または横浜行きの本数を数えてみると、改正前が13本、改正後が12本で、1本減っています。通勤特急と急行で比較すると、改正前が5本、改正後が3本で、2本減っています。23時台には急行が4本ありますが、すべて菊名止まりです。
23時15分に元町・中華街行き通勤特急が出たあと、20分、41分、53分に急行がありますが、これがみな菊名止まりなのです。23時15分の通勤特急のあとは、0時3分の横浜行き急行まで直通の優等列車がありません。これでは横浜から先、京急や相鉄やJRに乗り継ぐ人たちには、不便に違いありません。まさかとは思いますが、ライバルの湘南新宿ラインの横浜方面は、23時3分発国府津行きが渋谷の最終です。▲菊名駅4番ホームに到着した急行は、「回送」となって戻っていく(クリックするとポップアップします)
菊名ですぐに各駅停車に乗り換えができるからいいという問題ではありません(53分発は元住吉で追い越した各駅停車3分後に到着)。この時間帯は、就業後で疲労している客または酔客がたくさん乗っています。このまま横浜まで乗りたいと思っている直通客は多いはずです。
これなら各駅停車を菊名止まりにして、急行を「通勤急行」とでも称して、菊名から先を各駅停車にした方がいいかもしれません(10両編成の問題はありますが)。
輸送量という数値から見れば、現在のダイヤが「最良の回答」なのかもしれませんが、せまい菊名駅下りホームで乗換を強いられる乗客には、必ずしも最良のサービスではないことは確かだと思います。
編集部 田中比呂之(ひろし)