「ななつ星in九州」余話

 先週の金曜日、ブログでお伝えした通り「ななつ星in九州」の報道公開に行ってきました。場所は小倉から少し南に下った小倉総合車両センターというところでした。「小倉工場」といえばファンなら誰もが聞いたことがあるでしょう。
 除幕式のあと、さっそく外観などを撮影していて、ふと気づくと自分の姿がななつ星の車体に映っていました。ヘルメットを被った不思議な姿。ピカピカに磨き上げられていて、角度を変えても何かしらが映り込みます。

 この日は機関車の後ろに7号車が連結されていて、工場の建屋からはみ出して太陽光を浴びていたのが1号車。1号車の車端は大窓ガラスが嵌まっています。とても格好良いのですが、どう角度を変えて写しても、民家や自動車道の高架橋が映り込みます。しかも気温は32度。すぐに諦めました。1.jpg▲ヘルメットを被った自分の姿がはっきり映っている

2.jpg▲大窓ガラスには、倉庫とアパートが映っている
 車内の撮影は、テレビ、新聞、雑誌の順でした。荷物を預け、靴を脱いで車内に入ります。今日は1号車から3号車までが取材できるのですが、全部で15分あったかどうか。それでも撮るもの、聞くことをあらかじめ決めていたので、それでもなんとかなりました。豪華な室内にため息をついている暇も、にこやかなクルーに苦労話を聞く時間もありませんでした。
 この内装のこだわりぶりはただ事ではありませんね。細かいところまで作り込んであります。もちろん水戸岡さんに取材でかなり聞いていたからわかる部分もあったのですが、そうでなくてもこの「圧倒的な細部」は驚くべき事です。一流の仕事がちゃんと調和しています。3.jpg▲障子の前で絵葉書を書くのか、それとも......
 もっとも気になることもありました。窓が開きませんね。有明湾とか外輪山とかで、さわやかな外の空気を室内に入れたいと思う可能性はあると思います。もちろん日本の特急は「踊り子」などを例外として窓は開きません。窓が開くのは特急に相応しくないと思う人は多いかもしれませんが、4日間も室内にいるのですから、何カ所か開いてもいいのではないでしょうか。
 さらに今回質問してわかりましたが、全車禁煙ですね。これも議論があったと聞きます。愛煙家にとって、「ゆとり」とはタバコ、「やすらぎ」とはタバコ、「休息」とはタバコだったりするのです。せめて窓の開く喫煙室があってもよかったのでは。
4.jpg▲行程表も木製!
 これはマニア的ではありますが、3泊4日のコースで博多に戻ってくると、編成が逆になります。何度シミュレートしても逆になります。どこかに短絡線でもない限り、逆になります。そうするとどこかで編成を逆転しなければなりませんね。大昔、展望車付きの列車は、東京に到着後、大崎→大井町→品川と三角線を使って編成を逆転させていたそうです。あれ、大阪ではどこで逆転させていたんでしょうか。
 さて「ななつ星」はどうやって編成を逆転するのでしょうか。
 「ななつ星in九州」の大特集を目玉に「日本鉄道旅行地図帳」九州沖縄大改訂2014は来月10月10日発売です。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年09月17日   九州・沖縄   タグ : ななつ星

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