10月14日は鉄道の日です。明治5年、新橋~横浜間が開業したのが、旧暦の10月14日、新暦に直すと9月12日。ただし実際には旧暦の5月7日に試運転を始めていたようです。明治天皇は関西・九州方面から帰路、横浜港で降りて、横浜から品川まで臨時列車に乗車しました。7月12日のことでした。
明治になってわずか5年で鉄道が開通したのですから、欧米列強の思惑があったとしても、驚くべきことでしょう。最初の鉄道建設に尽力したのは、イギリス人技術者たちです。お雇い外国人です。建築師長だったエドモンド・モレルはじめ8人の技師や医師が、祖国の地を踏むことなく、横浜の外人墓地に眠っています。
私は長年横浜に住んでいながら、彼らのお墓を見たこともありませんでした。なので先日横浜外人墓地へお墓参りに行ってきました。鉄道の日に合わせて、先人の功績に思いを馳せてきました。
まず入口の左手の方に、ジョン・ダイアック(建築副役)の墓があり、その前に外人墓地に眠る8人の名前を記した看板があります。写真にある通り、平成3年10月14日にJR東日本が立てた看板です。外人墓地の順路に従うと、一番最後に見ることになります。お墓をいくつかご覧いただきましょう。
エドモンド・モレルの墓の奥に、国鉄総裁だった十河信二の筆によるモレルを顕彰する文が刻まれている石碑があります。昭和37年10月14日に建てられた石碑です。お墓は鉄道記念物に指定されています。モレル以外のお墓は準鉄道記念物に指定されています。
もし横浜を訪れる機会がありましたら、日本の鉄道の基礎を造った外国人鉄道技師を訪ねてみてはいかがでしょうか。横浜外人墓地の見学は、公開日が決められていますので、ホームページなどで事前にお調べの上、お出かけください。
編集部 田中比呂之(ひろし)