先日の日曜日は青梅線に乗ってきました。青梅線の羽村より先に行くのは10年ぶりぐらいでしょうか。さらに青梅から先に行くのも、はやり10年の歳月が経過している気がします。
終点の奥多摩には乗りつぶしの際に1度訪れただけです。その時のことはほとんど思い出せません。今思うと本当にもったいないとことをしていますね。乗りつぶしている時は、とにかく乗ることが最優先で、車窓もちゃんと見ていません。
今回は全駅降りてきました。天気も良く、微風。駅のベンチに腰掛けて鳥の鳴き声なども聞いて、時間を過ぎるのを忘れてきました。青梅から先は電車の間隔がほぼ30分おきになり、さすがにこれでは一方向で全駅降りて撮影するのは無理だと悟って、行ったり来たりを繰り返しました。
おかげで駅の順番が頭の中で混乱したままになっています。立川から青梅行きの電車に乗って、青梅まで行くと奥多摩行きの接続は30分後だと知らされました。ホームに降りて駅名標を見ると、私が嫌いな「レトロ書体」です。JR日光線の駅で違和感を覚えて以来のレトロ書体が使われていました。
青梅市は昭和の町で売り出しているそうで、駅の地下通路には昭和の映画のポスターが貼ってありました。駅舎は前身の青梅鉄道の本社ビル。これは期待通りの格好いい建物でした。この建物の模型が発売されたら買うのにな、などと思いながら駅前広場に出ると、都バスが停車していて意表を突かれました。もちろんここは東京都ですから、都バスがいても不思議はないのですが、私の都バスのイメージは山手線の周辺地域です。
▲青梅駅前に都バス
奥多摩行きはE233系4両編成でした。この電車はJRの最新鋭です。山奥でも東京都ということでしょうか。せめて201系が青梅と奥多摩の間を行ったり来たりしていればいいのに、などと考えながら、奥多摩に向かいました。接続の都合でしょうか、それほど混んでいません。休日の青梅線は混んでいる印象があって、最悪座れないことも覚悟していました。
▲巨大なそば屋のような奥多摩駅
渓谷と新緑を楽しみながら、奥多摩へ。ここから行ったり来たりを始めました。川井では目の前の吊り橋道路橋を眺めながら、鳥の鳴き声を聞き、新緑を愛で、春の空気を十分すぎるほど堪能しました。ベンチに座って缶コーヒーを飲んでいると「早起きして良かった」と思いました。
▲川井駅の目の前にコンクリートの吊り橋
車の旅と違って、ローカル線の旅は「移動の不自由」が醍醐味、移動は鉄道会社任せ、人生には自分ではどうにもならないことがあるということを教えてくれるのです。
▲(左)石神前(右)軍畑駅近くのトレッスル橋
それにしても事前によく調べもせずに出かけていき、駅の多さに内心驚いて、今日中に全駅撮影できるのかと心配しましたが、なんとか日没前に西立川に辿り着きました。
前にも書きましたが、乗りつぶしの旅とはひと味もふた味も違う「下車の旅」は、老境にさしかかった鉄道ファンにはお薦めの「旅のスタイル」ではないかと最近強く思うようになっています。
同時に、東海道本線全駅下車などはかなり面白いのではないかなどと考え始めています。
編集部 田中比呂之(ひろし)