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グランルーフをもっと素敵に

 昨年東京駅八重洲口に出現したグランルーフは、駅のデザインとしては世界的にも斬新なのではと思っています。中央部分は2階建てで、2階フロアにはdocomoショップがあるだけ、とても贅沢な空間が広がっています。

 東京駅は丸ノ内側には再生された3階建ての赤煉瓦駅舎があり、八重洲口は2階建て?で、有楽町寄りにそれほど大きくないビルがあるだけ。日本を代表する東京駅の両口が、巨大な駅ビルなどで視線を遮られることなく見通せるのは、これは快挙といってもよいと思います。
20140613_01.JPG  そのグランルーフに上がってみると、贅沢な空間ではありますが、いかにももったいない空間でもあります。この空間の噂を聞いたとき、ひょっとしてホーム側はガラス張りになっていて、東海道新幹線の出入りを眺めることができるのではないかと期待しました。
 さっそく行ってみると、新幹線ホームのアナウンスは聞こえますが、列車の出入りは見えません。夜だったせいもあり、人もほとんどいません。待ち合わせをするにしても、座るところも少なく、時間をつぶすお店もありません。近くの八重洲地下などとは対照的で、静かな空間が好きな人には、「人に知られたくない場所」かもしれません。
20140613_02.JPG 20140613_03.JPG  そこで提案です。この場所に待ち合わせができるようなカフェを設置したらどうでしょう。その例としてロンドンのセント・パンクラス駅の写真をご紹介します。私はこの駅には行ったことがありませんが、写真はしばしば見ています。ヨーロッパの駅は改札口がありませんので、駅の自由度は日本と大きく違いますが、グランルーフはたまたま線路と同じ高さにあります。
 現在は目隠しのように新幹線のホームが見えないようになっていますが、ここを全面ガラス張りにして、その周辺にカウンターを置くだけで風景は一変します。待ち合わせにも、帰宅前の一杯にも気軽に寄れる空間ができあがります。日本橋方面の眺めも悪くありません。鉄道ファンならコーヒーを飲みながら、ぼんやり新幹線の出入りを眺めるなんてこともできます。
 ひょっとして壁の向こうの新幹線を運営する会社との調整が必要かも知れませんが、現在でも日本にはない駅空間を、もっと素敵にするために是非とも前向きに考えていただきたいと思います。
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20140613_05.JPG 撮影:杉﨑行恭氏(上下とも)

 どうですか、八重洲口グランルーフがこんな空間になったら、用事がなくてもちょっと行ってみようかという気になりませんか。

編集部 田中比呂之(ひろし)  

2014年06月13日   東京

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