また旅行地図には、路線や駅の他に鉄道旅行に役立つ情報も入っています。例えば、 帯広駅の下には「豚丼」、函館駅の下には「塩ラーメン」と書いてあります。各地の名物やB級グルメなどを適宜入れました。

　路線に沿ってオレンジ色のラインを付し、オレンジ色の吹き出しに赤文字で表示しているのは、絶景区間です。これは新潮新書 『日本の鉄道　車窓絶景１００選』で４人の選者、今尾恵介氏、杉﨑行恭氏、原武史氏、矢野直美氏が厳選した車窓から見える絶景区間です。コメントは私（田中）がつけました。
　余談をいえば、 函館本線森付近から長万部付近までの噴火湾と湾越しに聳える駒ヶ岳と有珠山が見える「絶景」を是非入れて欲しいとお願いしましたが、進行係の要望は却下されました。（しつこいですが、この区間は全国の路線の中でも屈指の絶景区間だと確信しています）。

　このほか桜の名所、有名な滝、温泉なども入れました。車窓で気になる山や川の名前もできるだけわかりやすく表示しています。とくに百名山は白抜き文字で示しました。

　鉄道関連では、杉﨑行恭氏が選んだ「名駅舎１００選」が吹き出しによって示されています。おもに路線の廃止によってできた「鉄道保存施設」は、特に北海道には目立ちますが、青文字で示しました。牛山隆信氏が選定している「秘境駅」には、駅名の前または後ろに「秘」マークを入れました。

　旅行地図は鉄道旅行を楽しむために作りました。鉄道情報を基本にし、「必要十分」を心がけ情報過多にならないようにしました。地図には位置情報を埋め込んでいますので、タブレット端末をお持ちの方は、地図上でご自分の位置をたしかめることができます。こちらの方も是非お楽しみください。（不具合がありましたら、是非おしらせください）。

Web日本鉄道旅行地図帳編集部　田中比呂之（ひろし）