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小私鉄の姿と形 洞爺湖電気鉄道

 昭和だったか、平成になっていたか、今となっては記憶が曖昧ですが、神保町の古本屋で昭和31年の時刻表を買って、その晩は夢中になって熟読した覚えがあります。確か3000円ぐらいだったと思います。国鉄の列車も賑やかでしたが、地方私鉄もまだまだ健在でした。索引地図の私鉄線に心が躍りました。

 それからどれぐらいの期間があったか、やはり記憶が曖昧ですが、やはり神保町で鉄道省『鉄道旅行案内』を買いました。中に挟まっている地方ごとの鉄道地図にやはり夢中になりました。発行は昭和12年(16刷)。国鉄線は赤太線、私鉄は黒線。赤線からチョロッと出ている黒線に好奇心を掻き立てられました。

 どんな車両が、どんな景色の中を走っていたのだろう。『鉄道旅行案内』には観光写真以外ほとんど写真はなく、それでも小私鉄について数行の説明が書かれていました。

室蘭本線虻田、現在の洞爺からは、洞爺湖電気鉄道が洞爺湖に向かって線路を伸ばしていました。昭和4年から昭和16年の短い期間です。『鉄道旅行案内』には洞爺湖の項に、「洞爺湖電気鉄道がある」とだけ書かれています。

 「日本鉄道旅行地図帳」を編集した際、貨物駅を含む駅名を知ることができましたが、どんな鉄道なのか、イメージをつかむことはできませんでした。過日、Webで北海道を公開してまもなく「dewa1112」さんが、この洞爺湖電気鉄道の絵葉書を投稿され、ようやくこの鉄道のイメージがつかめました。
0000000749.jpg投稿:「dewa1112」さん

 洞爺湖駅のモダンな三角屋根は、リゾート駅を意識した建物なのでしょう。中は吹き抜けになっていたのかもしれません。「dewa1112」さんの解説では、この絵葉書に写っている車両が、所属車両のすべてだそうです。わずか3駅、7キロあまりの鉄道の姿が、1枚の絵葉書に凝縮されています。

 今後、他の絵葉書や切符が投稿されるのを楽しみに待ちたいと思います。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年05月23日   北海道   タグ : 洞爺湖電気鉄道

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