いい駅、見つけました 津軽線大川平駅
津軽線も田植えの季節を迎えていました。木々の緑は濃く、畦道の草も鮮やかな緑です。田んぼの水が風でわずかに波立ち、風が止むと駅舎がそこに映ります。5月も末になるというのに、駅前の桜の木に葉桜が残っていて、この地でも春の訪れが遅かったことがわかります。
駅舎の横に大きな木がある風景は、絵になります。ここ大川平(おおかわだい)駅は、正面に入口のない不思議な駅舎の横に大きな桜の木があります。ホームは1面。ホーム側の屋根下に自転車が1台。取り立てて特徴のある駅ではありません。向かい側は田んぼです。駅全体を写真に収めようと、田んぼの方にまわりました。
印象は一変しました。田んぼの水に駅舎や駅名標が映っています。背景には新緑の小山。ちょっと佇んでいたくなる風景です。写真を撮っているとわずかな風で田んぼの水が波立ちます。列車が来たらもっといい感じかもしれない。
しばらくするとタイフォンが聞こえ、ディーゼルエンジン音とともに、キハ48が1両でやってきました。
ゆっくりと停車し、すぐに発車していきました。車窓を眺めるのもいいのですが、駅で降りて、こういう光景を眺めると駅旅もいいなと思えるひとときでした。
「青春18きっぷ」のポスターにも使えそうです。
編集部 田中比呂之(ひろし)