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炭鉱を走る路面電車 角田炭鉱

 子供の頃から鉄道ファンだった者にとって、50歳を過ぎて未知の鉄道を知る体験はかなり刺激的です。鉄道地図帳を編集した恩恵とでも言ったらいいのでしょうか、未知の鉄道を知る機会がたくさんありました。先週、「小鉄道の姿と形」として洞爺湖電気鉄道のことを書きました。本線からちょろっと伸びる線に興味を惹かれる話です。室蘭本線ほど大幹線ではありませんが、北海道炭鉱汽船の大幹線とも言うべき夕張鉄道新二岐からちょろっと伸びていたのが、角田炭鉱の専用鉄道です。

 専用鉄道なので、時刻表にも掲載されず、その存在はほとんど知られていませんでした。私が知ったのも50歳近くになってからでした。短い専用鉄道でも蒸気機関車が走っていれば、それなりにファンはいるものですが、この角田炭鉱`については、鉄道趣味誌でもほとんど情報がなかったように思います。

 この専用鉄道は電化されていて、路面電車が走っていました。場所は、地図でご確認ください。北海道の炭鉱地帯に路面電車が走っていたなど信じられない話です。写真も見ることはありませんでした。夕張鉄道や系列の炭鉱鉄道の蒸気を追いかけて、撮影するファンはたくさんいましたが、この路面電車にレンズを向けるファンは、ほとんどいなかったということでしょう。

 当サイトでは、小樽在住の星良助さんから写真をお借りしてその姿をつたえることができました。星さんは鉄道趣味の先輩でもある小熊米雄さんから「レールの上に乗っているものは、すべて写しておくように」と言われ、それを忠実に実行されたそうですが、その助言がなければ、この炭鉱の路面電車の姿を私が見ることもなかったかもしれません。
kakuta.jpg 昭和27年に旭川市街軌道から2両の電車を譲り受けて、炭鉱労働者とその家族の輸送にあたっていたそうですが、そもそも旭川市街軌道自体がファンにほとんど知られていない存在です。
 いま現在存在する鉄道も、すでになくなってしまった鉄道も楽しみたいファンのひとりとして、この路面電車の写真やコレクションが投稿される日を楽しみにしています。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年05月30日   北海道   タグ : 角田炭礦

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