当編集部が協力をしている 「矢来町ぐるり」の 「1日1押し」は、毎月テーマを決めてスタンプを選んでいます。3月は東日本大震災の被災地、4月は桜、5月は東京メトロ丸ノ内線でした。そして明日から6月、富士山を選びました。言うまでもなく、富士山が世界遺産に登録されるのを記念してのことです。お馴染みになりつつある「新金沢文庫」コレクションを中心に、30個のスタンプを選びました。是非、ご覧ください。
新しいものでは、箱根十国峠ケーブルカーの十国峠駅のスタンプがあります。これは今年のゴールデンウィークに箱根に行った折、私が押したものです。方位磁石の円の中に富士山が描かれ、十国峠の由来である旧国名10国と伊豆七島の５島が、ひらがなで並んでいます。
むさし、しもうさ、さがみ、かずさ、あわ、こうずしま、にいじま、としま、みやけじま、おおしま、いず、とおとうみ、するが、しなの、かい。
こうして平仮名を並べると、漢字のテストをしたくなりますね。旧国名だけ漢字にすると。
武蔵、下総、相模、上総、安房、伊豆、遠江、駿河、信濃、甲斐。
連想ゲームのように興味は広がります。鉄道にもどると、この旧国名は同駅名を避けるために、武蔵小金井のように頭に冠されることがあります。旅先で旧国名が冠されている駅名に出会うと、過去からの伝言を受け取ったような気になります。この10国はみな駅名に使われていますね。いずれ、駅名に使われていない旧国名を探してみましょう。もうひとつ、旧国名単独で駅名になっている駅も探してみます。
こうして見ると、駅スタンプひとつでいろいろ語ることができます。スタンプは暗号のように絵がならんでいて、説明がほとんどないので、それを解き明かしていくのは、かなり面白くかつ楽しいのではないかと思います。
キャラクターのスタンプラリーで駆けずり回るより、スタンプの絵柄をじっくり調べる方がよほど勉強になります。夏休みの自由研究にいかがでしょうか。
最後に身延線の車窓から撮影した富士山の写真をご覧ください。
編集部 田中比呂之（ひろし）
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